iPhoneアプリとAIを使って野球のサインを復号・解読できるかどうか試してみた動画
フィールドの選手に指示を出すのに使われる「サイン」の読み合いは、野球の試合の中で行われるもうひとつの試合といっても過言ではありません。もしそこにITの力を持ち込んだらどうなってしまうのでしょうか?
野球の試合中には様々なサインによって指示が出されます。守備側の場合はピッチャーとキャッチャーの間で球種やコースのサインが出ます。
攻撃側の場合は、盗塁などの指示が出されます。
十分な量のサインとその結果のデータセットがあれば、機械学習によってサインを解読することができるのでは……というのが今回のプロジェクト。
まず簡易的なバージョンはこちら。攻撃側のサインと盗塁の有無を記録し、それを調べることで「盗塁サイン」かどうかを判別します。
Steal Predictor
何が「簡易」かというとこれは「Indicator(目印)」システムのみに対応するため。サインは複雑に見せるためにダミーが多数含まれています。Indicatorシステムは「帽子を触った直後」「ヒジを触った直後」など、何かしらの目印の直後にサインを隠す仕組みで、多くのチームで取り入れられているとのこと。つまり盗塁が起こったケースに共通する2文字の組み合わせを探せば突破できます。こんなのでも十分役に立ってしまうそうです。
問題はサインの盗み方。サインを出す監督や三塁コーチばかり録画しているとものすごく怪しまれてしまうので、こうやって紙コップにGoProなどを入れて……
こんなふうに何気なく盗撮する必要があります。
そしてデータをためていくと……早ければ数パターンで色々わかってしまうとのことです。
ちなみに「ヒジを触ってから耳を触ったら盗塁だけど、その間に帽子に触ったら全部ナシにしてもう1回最初から」など複雑なサインを使っている場合でも、機械学習を通せばたちまちのうちに解読できてしまうとのこと。こちらのソフトは公開されていませんが、専門家であれば普通に作れてしまうもののようです。動画はこちらから。
Stealing Baseball Signs with a Phone (Machine Learning) – YouTube
この動画の恐ろしいところは野球のサインだけでなく様々な暗号が機械学習で解読できてしまうという事実がしれっと示されているところ。暗号化するほうも計算量が膨大なものになったり、ものすごくランダムにしたりとあの手この手を編み出しており、いたちごっこ状態です。
ユーザーみんなでランダムな「1」と「0」のバイナリを作るプロジェクト「zeroone.io」 – DNA
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