科学と技術

超低光量の写真をニューラルネットワークの機械学習でバシっとシャープに補正する技術が開発される


デジタルカメラの性能は年々向上しているものの、光を捕まえるというのが基本のシステムである以上、暗い場所で撮影するとダメダメな画像に仕上がってしまいます。しかし最近流行のニューラルネットワーク技術を応用すると……どんなところでも撮影することができるようになるかもしれません。

デジタルカメラはセンサーで光子を捕まえることで像を得ますが、暗いところでは光子が少ないため、センサーがもつノイズの影響が大きくなります。かといって露光時間を伸ばせば手ブレしやすくなり、コマ数も少なくなることから、静止画ならまだしも動画の撮影は困難です。

上段左から順に露光30秒、5秒、0.5秒、0.1秒で撮影されたもの。中段はデジタル補正したもの。下段の拡大図を見ても分かる通り、ノイズだらけです。

今までノイズのパターンを解析して除去したり、ソフトウェア的に手ブレを補正したりなど色々な後処理技術が存在していましたが、イリノイ大学工学部の研究者グループは今回、畳み込みニューラルネットワークに低光量画像補正を学習させ、自動で加工させることに成功しました。

従来の方法(右)と今回の手法(左)ボードの模様など不自然なところもありますが、相当シャープで精密です。

その他の結果はこちらの動画から。静止画だけでなくムービーも同じように増感できます。
CVPR 2018: Learning to See in the Dark – YouTube

こちらは軍用のニコンですが、もうこんなゴッツいレンズを使わなくてもなんとかなる時代なのですね……
ホンモノのゴツゴツ感、軍用暗視レンズをつけたかっこ良すぎるニコン・D700 – DNA

機械学習による静止画・動画の補正は色々な種類のものが開発されています。こちらは古いモノクロの映画を自動でカラー化したもの。自然さに驚くこと間違いありません。
ディープネットワーク技術で自動的にカラー化された「ローマの休日」予告編がすごい – DNA

ソース:Learning to See in the Dark

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