英国諜報部MI6、アルカイダの「爆弾の作り方」Webページから「カップケーキの作り方」にリダイレクトさせる
何が本当で何がウソなのか分からないのが情報戦の世界。様々な組織が日々、騙し騙されているのですが英国諜報部MI6がアルカイダのWebページをハック、爆弾の作り方を教えるページからカップケーキの作り方ページに飛ぶように作り替えるという事件があったようです。
2010年6月、アメリカとイギリスの諜報機関によって、アルカイダが67ページのオンラインマガジンを発行しようとしていることが明らかになりました。
問題となったのはその中の「ママのキッチンで爆弾を作る方法(著アルカイダ・シェフ)」と題されたコンテンツ。家庭にある材料を使ってタイマー付きのパイプ爆弾を製作する方法でした。
アルカイダはこのオンラインマガジンを、組織に属さず行動する「一匹狼」のテロリストをリクルートするために用いようとしていたとみられていますが、このような独立型のテロリストは捕捉・追跡がとても困難なためなんとしても妨害しなければいけません。
そこで、イギリス諜報機関の対外工作を担当するMI6と通信の傍受・解析を専門とする政府通信本部のハッカーはオンラインマガジンのサーバーに侵入、この「爆弾の作り方」記事にアクセスした人を「アメリカ最高のカップケーキ」というレシピのページに飛ばすようにした他、ビンラディンやアルカイダ上層部が執筆した記事など危険度が高そうなものについても同様の処置を施しました。
日本では1950年代に過激派組織がテロのマニュアルを発行する際、当局の目を欺くために「栄養分析表」「球根栽培法」「腹腹時計」などという書名で配布するというようなことをやっていましたが、それを彷彿とさせる事件です。
しかし結局、アルカイダはその2週間後に同じ雑誌を再発行することに成功、以降4冊が続刊しているそうですが、英国情報部は「強力なプロパガンダツール」として現在も警戒を続けているそうです。
ソース:MI6 attacks al-Qaeda in ‘Operation Cupcake’ – Telegraph
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