世界のびっくりニュース

米戦略軍核ミサイル部隊、ようやく8インチフロッピーディスクの使用をやめる


第3次世界大戦は全面核戦争となることが予測されていた70年代、諸国は猛烈な勢いで核武装を進め、現代に至るもそれを手放してはいません。当然運用システムも当時のまま稼働しているわけですが、やはり保守管理が大変なようで、先日アメリカ戦略軍は核ミサイル基地の運用システムから8インチフロッピーを廃止したそうです。

核ミサイル基地は24時間365日態勢で待機しており、大統領の命令があればいつでも発射可能な態勢を維持しています。核ミサイルはアメリカの領土だけでなく、空中待機している戦略爆撃機や海中の原子力潜水艦などに搭載されており、これらはそれぞれ軍用のネットワークで連携しています。その一端を担うのが戦略自動指揮管制システム(SACC)。

SACCは拠点間で命令を伝えるためのメッセージングツールのような存在。1983年の映画「WarGames」の冒頭、実際の手順通りの核ミサイル発射プロセスが見られますが、そこにSACCがちらっと見えます。
WarGames 1983 720p HDTV Sci Fi, Thriller 01 – YouTube

SACCはIBM Series/1をベースにした恐ろしく旧型のシステム。ソフトウェアこそ更新が重ねられているものの、ハード面では現代のコンピューターのようにコンポーネント化などされていないため、ちょっとした保守の際にもはんだごてを持ち出さなければなりません。整備には電気回路をくまなく知っているベテランが必要ですが、習熟には時間がかかるため、専門の民間人が長年保守を行っています。

極めつけは、未だに8インチフロッピーディスクを使用しているという点。一番右の3.5インチのものですら、今や化石となりつつあるのに……。

つまりコスト面からもリスクコントロールの観点からも弱点があり、アメリカ会計検査院はシステムの更新を何度も勧告してきましたが、やっとこさ何かが入れ替えられたようです。

SACCの保守運用を受け持つ空軍第595戦略通信飛行隊の指揮官、ロッシ中佐によれば「よく冗談で『これは空軍最古のITシステムだ』と言っていたが、じっさいこの古さによってシステムの安全は保たれていたのだ。IPアドレスをもたないシステムに外部からハッキングはできない。とてもユニークで古く、よいシステムなのだ」とのこと。なお、フロッピーディスクの後継としては「ソリッドステート素子を用いた極めて安全なデジタルストレージ」が用いられるということです。

一方、ロシアでは核ミサイルの運用管制に巨大なハンマーを使っていました。さすがですね。

ロシアの戦略ミサイル軍は最終兵器「核ミサイル発射用ハンマー」をもっていた – DNA

ソース:The US nuclear forces’ Dr. Strangelove-era messaging system finally got rid of its floppy disks

関連記事

リアルな世界が終わる瞬間……1950年代の核実験場内の様子をカラー復元した映像 - DNA

勝者なき全面核戦争を再現したゲーム「DEFCON」に臨場感たっぷりのVR版が登場 - DNA

1945年から1998年までに発生した核爆発を地図上に表示する動画「1945-1998」 - DNA

旧ソ連も目をつけた、アメリカ合衆国国防総省ペンタゴンの中庭にある「ある建物」の意外?な正体 - DNA

兵士達の真上で原子爆弾を爆発させる人体核実験の動画 - DNA

アメリカが1945年から1962年に行った大気圏内核実験を記録した約500本の機密映像 - DNA

「人類の終末」シーンだけを99個集めたマッシュアップ動画「SUPERCUT: Apocalypse」 - DNA

この記事をブックマーク/共有する


前後の記事

DNAをこれからもよろしくお願いします!

Facebook上のコメント一覧