ジャイロの力でコケない1967年製の2輪自動車「Gyro-X」がスーっと走っていく動画
より安定して走るには広い車幅が必要ですが、より省スペースな自動車となるには細長い車でなければなりません。そんな矛盾を解決すべく、50年以上も前に作られたのがこちらの二輪自動車「Gyro-X」。ジャイロの力でスーっと不思議な安定感を見せつつ走っていきます。
動画はこちらから。
Two-Wheeled, Self-Balancing Gyro-X vehicle from 1967 in action & driving scenes! – YouTube
Gyro-Xは1967年、元フォードのカーデザイナーであったアレックス・トレミュリスと、ジャイロスコープの専門家で第二次世界大戦中はミサイルの誘導装置を開発していたトム・サマーズが、当時75万ドル(現在の価値で600万ドル)をかけて作り出したプロトタイプ。とはいえ完成してすぐに会社が倒産してしまったため完成することはなかったようです。
長年の間、シャーシはコレクターの間を渡り、その間にジャイロ機構も失われてしまいました。しかしアメリカ・カリフォルニア州はペブルビーチのレーン自動車博物館が2011年にこれを入手、実に6年をかけてレストアすることになったのです。
ボロボロのシャーシはジャイロの欠落によって2輪ではなく3輪に変更されているなど、状態は最悪といってよいものでしたがスタッフの飽くなき努力で復活。エンジンは後部に。ジャイロは前部に設置されています。
直径約40センチ、重さ約104キログラムと巨大なジャイロ。エンジンからの油圧で動作します。オリジナルのものが入手できなかったため、イタリア製のヨットの制振に用いられているものを流用しているそうです。
エンジンが止まっても2時間ほどは回り続けるので、すぐ転倒、ということにはならないそう。運転席にもジャイロの回転数計が設置されています。
レストアの様子はこちらから。駆動輪に加えてジャイロも作動させなければならないのでレスポンスは重ためですが、不思議な安定感が面白いですね。
How This Two-Wheeled Car Uses A Disk To Balance – YouTube
4輪自動車の代替ではなく自立バイクとして作っていればあるいは生き残ったのかもしれません。こちらはつい先日ホンダがプロトタイプを公開した「こけないバイク」。50年かけて自立システムはここまで小型化されたかと思うと技術の進歩に驚きます。
Honda Riding Assist – YouTube
「転倒しないバイク」は近年ちょっと盛り上がっている分野です。自律運転システムだけでなく、こんなキワモノも存在しています。
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