2400年以上昔の木造船がほぼ当時の状態を保ったまま黒海の海底で発見される
黒海の海底調査で発見された2400年以上昔に黒海を航海していた木造の貿易船。驚きは当時とほぼ変わらぬ姿で海底に横たわっており、ほぼ無傷で残る世界最古の難破船と考えられています。
動画はこちらから。
World’s oldest intact shipwreck discovered in Black Sea – YouTube
マスト、梶、ローイングベンチまでしっかりとした状態で残っていたのは、海底深くまで沈み酸素が少なかったこととが主な理由として挙げられます。
さらにこの船は大英博物館が所蔵する古代ギリシャ時代に作られたオデュッセウスとセイレーンがモチーフの陶器「The Siren Vase」に描かれている貿易船と同じタイプと推測されています。ちなみにセイレーンは美しい歌声で航行中の人を惑わし遭難・難破させるとされる怪鳥です。
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黒海考古学プロジェクトの主任研究員である Jon Adams 教授は「2kmの水域に古代の船が当時のままの状態で保存されていたことが信じ難い」。さらに「古代の造船技術や航海への理解を変えなければならないだろう」と話しています。
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この難破船は海洋考古学者、科学者、測量技師の国際チームが3年間に渡り行った調査で発見した60の難破船のうちの一つ。17世紀のコサック襲撃艦隊からローマ貿易船まで様々な時代の船が見つかっています。
ちなみにこちらも黒海の難破船を撮影したもの。40年代に製造され60年代後半に座礁しそのまま放置され朽ち果ているままの姿が記録されています。
50年昔に座礁した巨大貨物船「エヴァンゲリア(Evangelia)」 その朽ち果てた内部をカヤックに乗って撮影した映像
ソース:World’s oldest intact shipwreck discovered in Black Sea | Science | The Guardian
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