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特許文書からみたGoogleの眼鏡型デバイス 「Glass」の秘密


今までのヘッドマウントディスプレイのデザインを覆すGoogleの眼鏡型表示デバイス「Glass」の動画が先日公開され、私たちの度肝を抜いていきましたが、この「Glass」についての特許文書の中身もなかなかのもの。小さいにも関わらず相当にいろいろものが詰め込まれているのが分かります。


「Glass」はGoogleが開発を勧めている眼鏡型表示デバイス。とはいえ単に情報を表示するだけではなく、インターネットとの接続によって様々な情報を送受信し、視覚を拡張するというコンセプトで作られています。
How It Feels [through Glass] – YouTube

以下は特許の文をまとめたもの。こういう書類には実際に搭載される機能以外にもいろいろと書いておくものなので中には「それは無理だろ」というものもありますが、あるいはGoogleなら……と期待してしまうことも多く書かれています。

概念デザイン。両側のツルにタッチパッド、センサー、カメラとディスプレイが振り分けられており、各デバイス間の信号のやりとりは有線ではなく無線で行われるというデザイン。(電源さえ取れれば)これらの配置は自由にできるようです。

形は色々違いますがほぼ現在のデザインのもの。右側のツルの72番のパーツがタッチパッドで、これを使って操作します。動画のように音声を使ったりその他のデバイスで入力を拡張することについても触れられています。加速度計やジャイロをつかった「頷き」「首振り」などでも操作できるようになるのでは。

これは別の特許ですが、同じくGoogleのレーザーキーボード特許。こういうのも将来組み込んでくる可能性もあります。

フレームは各種素材・形状で作られると示唆されています。少し締め付けるデザインでずれにくい。各種パーツは交換可能で各種乾電池を使用できるハウジングが描かれています。カメラは1台だけですが、携帯電話など外部カメラなどと接続して複合視覚を作り出せるということです。

ディスプレイはプリズムで反射するデザイン。延長したり複数設置して二眼ディスプレイにすることも考えられているようです。また、将来的にレーザー、あるいはLED光源で網膜に直接投影するラスタスキャンのディスプレイにすることも触れられていました。

ほかにも外部ディスプレイの使用について書かれています。動画で他人のカメラからの視覚を共有していたのがこれにあたるでしょうか。

外部との通信は無線LANやGSM・CDMA・UMTS・EVDO・WiMAX・LTE・Zigbeeなどのモバイル通信規格がサポートされるほか、有線での接続(画像・動画データの移動用?)も想定されていました。

携帯デバイスを作るにあたってGoogleにはネットワーク上に膨大なサーバーを持っているこという利点があります。インターネットにさえつながっていれば、サーバーに一度情報を送って処理した結果を戻してもらえるので、デバイス上で様々な情報を計算したり保存したりせずに済みます。いろいろと制限がある携帯デバイスではこれは非常に有効で、例えばAndroid携帯の「ナビ」では既にこの方法が用いられています。

こうしてサーバー側で情報の「下処理」と取捨選択が行われれば「Glass」の限られた表示能力でも特に問題になることはありません。その辺りは全部任せてしまって、とにかくヒューマンインターフェイスとしての使いやすさに徹底的にフォーカスしたのが「Glass」といえます。

噂ではNexusブランドの携帯電話やタブレットなど、Googleの物理製品を触れる「Googleストア」の計画もあるそうです。1日も早く触ってみたいものですね。

ソース:United States Patent Application: 0130044042

United States Patent Application: 0130016070

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