「丸ごとどぼんとオイル漬け」がサーバー冷却のトレンドに
Googleのような検索サービスやAmazonの売り上げを支えるサーバーセンター。しかしながらサーバーの高性能化が進むにつれて電気代、特にサーバーを冷却する費用が大きな問題になっています。そこで最近検討されているのが「油冷サーバー」。文字通り冷却用のオイルにそのままどぶんと漬け込んで冷却効率を飛躍的に向上させるというものです。
自作PCの世界ではすでにドライアイスや液体窒素など、かなりエクストリームな冷却方法が試されていますが、Green Revolution Coolingが提唱している油冷方式はシステム全体の冷却にかかる費用を90~95%もカットするというもの。
冷却のための電力消費ではなく「費用」であることがミソです。
サーバーの冷却はデータセンターの電力消費の40%を占めているといわれており冷却効率を上げることでこの消費量を下げるのはもちろんですが、床面積あたりのサーバー密度を上げたり冷却システム自体を安価にすることでトータルのコストが下がるというコンセプトなのです。
オイルタンクに漬けられたサーバー。初期費用は上がりますが、空冷式のようにサーバーとサーバーの隙間を取らなくてもよいので全体では省スペースになります。
使用される冷却オイルは同体積の空気よりはるかに熱を吸収できるもの。非電導性なのでサーバーを漬け込んでもショートすることがありません。自作PCでもよく見られる水冷式ではショートの危険があるので、防水にはかなりの注意がはらわれ、コストも上がってしまいます。
この方式は油冷のための特別なサーバーでなくても漬け込めるのがポイント。空冷よりも油冷なら熱の移動が簡単で、冷却効率は飛躍的に上がります。
ホットスワップのブレードサーバーもこの通り。
中身はごくごく普通のサーバーのまま。特に油冷用の特殊な冷却ブロックを装着する必要はなく、ここでもコストを削減できます。
動画はこちらから。
Green Revolution Cooling – YouTube
装置が重たいので建物の設計や配管は空冷式よりも厳しかったり、サーバーの交換や修理は若干面倒になります。またストレージサーバーなど熱くなりにくいものに使うと逆にコスト高になるでしょう。
限られたスペースにとにかくCPUを詰め込めるだけ詰め込みたい、というスーパーコンピューターなどに使うと、建物1個分の装置のサイズがぐぐっと小さくなると思われますがサーバーを液体にどぼっと漬けるので、ものすごく心臓に悪いビジュアルなのが難点です。
ソース:Oil cooling: Deep fried, or deep energy savings? | ExtremeTech
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