容量たったの5メガバイト、でも運ぶのにフォークリフトが必要だったいにしえの記憶装置「IBM 350」
今でこそ指先に乗るようなマイクロチップに数十ギガバイトのデータが入ってしまうのは当たり前。少し前のフロッピーディスクでも、手鏡サイズで1メガバイトとちょっと位は入りました。しかしそれよりももっともっと昔、1950年代半ばの記憶装置は、途方もないサイズが必要だったのです。
これが「IBM350 disk storage unit」。重さ1トン超、容量約5メガバイトのディスク式記憶装置です。
1956年に登場した「IBM RAMAC 305」の記憶装置として使われ、50枚の24インチ(直径610mm)の磁気ディスクを用いて秒間8800字の転送速度を出したそうです。これは全部1バイト文字とすると70kbpsちょっと。現在の無線LANの規格では54Mbps≒54000kbpsくらいの速度が出せることを考えると……技術の進歩というのは恐ろしいものがあります。
1979年には250メガバイトでこのサイズに。
1980年には1ギガバイトのカベを突破。ただしケース込みだと冷蔵庫サイズです。
そして現在にいたるまでのサイズの変遷。手前側左から8インチ、現在も多く使われている3.5インチ、ノートPC等向けの2.5インチ、そして小型のPDAに使われたりする1.8インチ。容量も数百ギガバイト~テラバイトとIBM350から百万倍程度増加しました。
そして指先に乗るMicroSDカードは容量32GBほど。
初めて8GBのハードディスクを買ったときは「こんな大容量のディスク使いきれないよ……」と思っていたのですが、写真1枚2メガバイトという時代となっては全然足りなくなってしまいました。最近はネットワーク上にある超巨大ストレージをみんなで分けて使う「クラウド」が流行していますが、次はいったい何が登場するのでしょうか。
ソース:Amazing facts and figures about the evolution of hard disk drives | Royal Pingdom
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