科学と技術

ホンモノのゴツゴツ感、軍用暗視レンズをつけたかっこ良すぎるニコン・D700


トップの画像はアメリカ海軍の支給品、ニコンのD700デジタルカメラに夜間偵察用の暗視レンズを装着したもの。東北地方太平洋沖地震ではマスコミや自衛隊の他に米軍各部隊が撮影した写真がすぐさまFlickrの公式アカウントで公開され話題となりましたが、そうした写真を撮影する「コンバット・カメラマン」を養成する演習「Quick Shot 2011」の様子です。


「Quick Shot」は年に2回、米軍の写真撮影要員「Combat Camera」を集めて行なわれる訓練。あらゆる部隊が対象となるので、ご覧の通り迷彩服の柄はまちまちになってしまいます。

カメラマンの特訓なので、フル装備に加えて重たい一眼レフを抱えて走り回ります。


射撃練習もみっちりと。荷物が多いのでライフルの銃身は持ち運びやすいようにちょっと短め。

ただしあくまでもメインの武器はカメラ。イメージ向上の宣伝のためはもちろんのこと、指揮官に正確な情報をいち早く伝えるためあらゆる状況での写真撮影の訓練が行なわれます。半年に1回訓練があるのは、夏の暑さ・冬の寒さという厳しい条件を体験しておくためなのです。

なお海軍の場合、Combat Cameraになるには隊内の選抜に合格した上で大学の写真学コースを卒業することが必要。静止画も動画も撮影する技術をマスターしなければなりません。特殊部隊について行くこともあるため、戦闘訓練も普通の兵士以上に厳しく行なわれます。

ある隊員は「部隊が待ち伏せに合ったらどうしますか」と問われて「安全なところから記録をとり続けます。正確な情報を送るのが私の任務です」と答えたとのこと。

こうしてテロリストの隠れ家の様子を収めるにも、ライトの当て方など様々なノウハウがあるそうです。案外盲点となるのが「オートフォーカスの補助光」。ものすごく目立つので、隠密行動の際は死活問題になるようです。

こちらはニコン・D700に、Tactical Solutions社のNightstalker IIマウントを介しNVM100ナイトビジョンを装着したもの。フルサイズフォーマットなのは感度の高さを期待してのことでしょうか。

これで撮影するとこんな感じに。救急救護の様子。腕まくりした隊員が心肺蘇生を行なっているものと思われます。胸にライトが付いているのでその辺りが明るくなるのでしょう。

街の明かりが増幅されてまばゆく光ります。

撮った写真はラップトップから送信。

こうしたCombat Cameraの発達は、デジタルカメラ技術の発達の歴史でもあります。こちらは訓練中の海軍特殊部隊SEALs・チーム1の隊員と初期の防水デジタル一眼レフ「DSC425」の写真。98年に撮影されたものだそうです。

ニコンの「RS」にコダック社のデジタル処理部分をくっつけたもの。

この弁当箱のようなフタの向こうにデジタルユニットがあります。

記憶媒体は懐かしいPCMCIAカードですね。

コダック社の銘板入り。

ソース:Front Lines: Life as a US Military Photographer | Popular Photography

The real king of darkness: Nikon D700 with special night vision system | Nikon Rumors

dlyost: Freelance Photography and Video

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