フランス軍制式ライフル「FAMAS」とうとう交代へ
ついこの間までは経歴不問だった「外人部隊」や行進しない軍楽隊「ギャルド・レピュブリケーヌ管弦楽団」など、独特な伝統と文化のあふれるフランス軍にも近代化の波は押し寄せます。先日行なわれたフランス陸軍幕僚長の会見において、2013年に陸軍向け新制式ライフルの提案依頼書を発行することが明らかになりました。
FAMASは「サン=テチエンヌ造兵廠製突撃銃」の頭文字をとったもの。1967年に制式採用されて以来陸軍全軍で使用されており、機関部をグリップより後ろにおいたコンパクトなブルパップ方式やプラスチックの比較的軽量なボディが特徴となっています。
短銃身型、スコープを乗せた狙撃型など数々のバリエーション。
統合情報システム「FELIN」を搭載した試作FAMAS。上に乗せたカメラの画像をヘルメットマウントディスプレイから見ることが出来ます。壁や窓から銃だけ出して射撃できるようになります。
通常方式のM16A2ライフル(一番上)とFAMASと同じくブルパップ方式のステアーAUGライフル(一番下)のサイズ比較。青の線で表した銃身の長さはほぼ同じですが、サイズはコンパクトなのが分かります。
FAMASはかなりのトラブル持ちの小銃であることでも有名でした。初期型のF1(上)は.223口径ですが5.56mmNATO対応ではなかっため、真鍮薬莢のNATO弾では圧力に耐えられず故障が発生。鋼鉄薬莢のものをわざわざ自前で生産していました。銃身のライフリングも3条1/12ピッチとゆるやかだったり、弾倉もNATO標準のSTANAGマガジンとは形状が違うなど、NATO軍として弾薬の互換性に問題があることが指摘されていました。これはフランスが政治的にNATOとは距離を置いていたことも原因のひとつです。
94年に採用された後期型のG2ではこれらの問題が解決されています。しかし予算の制限もあり、多くの兵士はまだF1型を使用しているようです。
次に何が採用されるのかは色々と議論されるところです。以下は特殊部隊であるフランス軍第1海兵歩兵落下傘連隊のデモンストレーションの画像。人質を囲む3人兵士の左側は西側各国でよく用いられているAR-15系列のライフル、右の兵士はドイツ・H&K社製MP5短機関銃を持っています。
ソース:French Army to replace the Famas Rifle | The Firearm Blog
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