科学と技術

軽量な樹脂製薬莢がライフル用弾薬向けに2011年からリリース予定


装填時の摩擦や火薬による高温・高圧のガスに耐えられないことから、ライフル弾薬莢の樹脂化はなかなか成功しませんでした。しかし現在ラスベガスで行われいるSHOTショーでPCPアミュニション社が樹脂製の各種薬莢を展示、2011年中に一般販売を開始すると発表しています。


冷戦期に弾薬の小口径化が行われた理由の1つに、弾を軽量にして兵士が運べる弾の数を増加させるためというのがありました。しかし、真ちゅうや軟鋼といった金属製の薬莢では軽くなるといっても限界が生じます。

そこで薬莢そのものを利用しないケースレス弾や樹脂製の薬莢の研究が進められました。しかしケースレス弾はほとんど普及せず、樹脂製薬莢は散弾銃では実用化されているものの、ライフル用としては弾頭と薬莢がはずれてしまう問題や、熱・高圧で薬室に張り付いてしまうなどの問題が解決できず今だ市場には出てきていません(訓練用・音響用としては存在)。

PPC社の樹脂製薬莢はこれらの問題を解決、5.56 NATO、7.62mm NATO、.50 BMGといった軍でもっとも多く使われる弾薬のほか、6.8 SPC、.338 Lapuaなど狙撃・ハンティング向けに多く使われるようになっているサイズの薬莢を2011年初頭からリリースしていくとしています。

薬莢が軽くなることでベルト給弾のものはともかく、一般的な自動小銃では排莢に問題が出そうな感じもしますが、ここは実射試験の結果を待ちたいところ。また、特殊な樹脂を利用しているということで価格が金属製のものと比べてどうなるかも気になります。

ライフル銃手はともかく、弾薬100発入りの箱をいくつも持ち歩かねばならない軽機関銃手などにはかなりの福音となる気がします。

ソース:PCP polymer cased ammunition | The Firearm Blog

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