アートとデザイン

秘境に住む唯一無二の伝統文化に生きる少数民族の姿を記憶する写真シリーズ「Before They Pass Away」


21世紀も早十数年が過ぎ、あらゆる物が進歩し確実に地球は狭くなってきています。世界の秘境と呼ばれる大都市から隔離された土地に、祖先より継承してきた伝統文化のままに生きる少数民族たちにも、現代文明に飲み込まれてしまうことは避けることが出来ない現実となっています。

その現状に危惧したイギリスの写真家 ジミー・ネルソン(Jimmy Nelson) 氏が、世界中の少数民族が暮らす秘境を訪れ、時間をかけ部族のコミュニティーに溶け込み、消えゆく少数民族の姿を記録した写真シリーズ「Before They Pass Away(彼らが消えてしまう前に)」です。

山、氷原、密林、川、谷には純粋な人間性は存在すると信じて少数民族の村へ行き、部族の人たちへカメラを向ける前に笑顔を絶やさず、彼らが醸造したミステリアスな酒を飲み、彼らが共有している目には見えないが明確に存在するバイブレーションを共有して撮影を成功させています。

また、ネルソン氏は「2009年、私は古来より続く伝統の証人になりたく秘境の地に住み独特の姿で暮らす31の部族に会いに行く計画を立てた。彼らの儀式に参加し彼らの永遠の生活様式が変化する恐れがあること悟った」と語っています。

カザフ:KAZAKH(カザフスタン)

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カザフスタンを中心にウズベキスタン、中国、ロシアなど、中央アジア北西部のカザフステップに住む総人口1600万のテュルク系民族。20世紀初頭まではほとんどが遊牧生活を行っていた。

ヒンバ:HIMBA(ナミビア)

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ナミビア北部に住む2万から5万人の部族。髪や肌に赤い泥と脂肪を混ぜたものを塗る習慣をもつ。

フリ:HULI(パプアニューギニア)

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パプア・ニューギニアの南部山岳州に1000年以上に渡り住む人口15万人の少数民族。顔には黃、赤、白に塗り、派手に装飾された自分の髪で作ったウィッグをする。

アサロ:ASARO(パプアニューギニア)

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アサロ・マッドメン(Asaro Mudmen)とも呼ばれ、顔意外の全身を泥で塗り、顔には泥などで作ったマスクをかぶる。伝説では敵の部族から逃れるため暗くなるまでアサロ川に隠れ、敵が見つけた時には全身泥だらけになった状態だった。それを見た敵部族は尊敬の念を抱いたという。それ以来、パプアニューギニアの部族たちに恐れられている。

カラム:KALAM(パプアニューギニア)

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世界で2番目に大きな島・ニューギニア島東部(パプアニューギニア領)の高原に住む民族。カラム族の女性は非常に有能な農業者であり、初めてこの地を訪れた人は計画的な庭や灌漑システムに驚く。男性は狩猟や他の部族と豚や女性を掛けての戦いを行う。その戦いの時に敵を威圧するため恐ろしい仮面やウィッグ、ボディーペイントをして出陣する。

ゴロカ:GOROKA(パプアニューギニア)

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ニューギニア島東部(パプアニューギニア領)の高原に住む民族。ゴロカ族は、神話、民話、ことわざ、呪文など驚くべきたくさんの口承を持っているが、物質的な文化は生活に最低限必要なものしか無い。しかし、ジャングルに住む動物や鉱物から作らる装飾品については他の部族を圧倒している。

チュクチ:CHUKCHI(ロシア・シベリア)

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シベリア北東のチュクチ半島に住む人口1万6000の少数民族。ヤンガラ(テント)に住みトナカイとの遊牧生活を送るトナカイ・チュクチと海岸で魚やアザラシ漁を行う海岸チュクチがいる。

マオリ:MAORI(ニュージーランド)

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9世紀頃からニュージランド(アオテアロア)に住む人口79万人の民族。マオリの戦士が戦いの前に踊る民族舞踊「ハカ」はニュージランド・ラグビー代表の試合直前に踊られている。

参照:ラグビーのルールをセクシーなお姉さんたちが実演して教えてくれる動画「Rules to Rugby」

ムスタン:MUSTANG(ネパール)

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参照:古き良きチベットの世界、かつてヒマラヤ禁断の王国と呼ばれた旧「ムスタン王国」

ガウチョ:GAUCHOS(アルゼンチン)

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アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジルに広がるパンパやアンデスに暮らし牧畜に従事する先住民とスペイン人の混血民族。19世紀後半以降、職業や社会階級としてのガウチョはほぼ消滅している。

ツァータン:TSAATAN(モンゴル)

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ロシアと接するモンゴル最北部のフブスグル県に住む282人(2010年)の少数民族。「トナカイの放牧人」を意味する言葉ツァータンが指すように、真冬は零下50℃にもなるシベリアの針葉樹林「タイガ」でトナカイを放牧している。

サンブル:SAMBURU(ケニア)

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半砂漠地帯のケニア北部・サンブル地区に住む人口3万人の少数民族。ウシや羊などを放牧し、体には土を塗って装飾をする。

ラバリ:RABARI(インド)

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1000年以上前にイラン高原からインドのグジャラート州やラージャスターン州移り住んできた民族。ペルシャ系の顔立ちをしており、家畜・ウール・ミルク・革製品で生計を立てている。

参照:インドの民族衣装で着飾った花嫁姿の美女写真インドやパキスタンの女性たちの手や足に施された非常に美しいボディー・ペインティング「メヘンディ(ヘンナタトゥー)」写真

ムルシ:MURSI(エチオピア)

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エチオピア・南部諸民族州のオモ川流域に住む人口7500人(2007年の調査)のナイル系牧畜主義の民族。ムルシ族といえば、女性が土製の素焼板(リップ・プレート)を下唇にはめ込む習慣はその特異な姿から世界中に知られています。

15歳になる少女たちは下唇に穴を開け始め、リップ・プレートが入るサイズまで徐々に大きく成長させていきます。リップ・プレートは奴隷売買者に魅力的に見えないよう発明されたと言われています。現在では、リップ・プレートが多き程、結婚の時に送られる家畜が多くなるとされています。

参照:エチオピア・オモバレーの古代部族の写真シリーズ「エチオピア ワン(ETHIOPIA ONE)」

ラダッキ:LADAKHI(インド)

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かつてはチベット仏教を信仰する独立した「ラダック王国」として君臨した地域・ラダック(インド北部のジャンムー・カシミール州東部)に住むチベット系の民族。中心地のレーやシャイには現在でも仏教施設が数多く残っている。

バヌアツ:VANUATU(バヌアツ)

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数千年の歴史もち南太平洋のシェパード諸島に位置する人口24万人の民族。バンジージャンプの起源となった成人儀式「ナゴール」が有名。また、ジョン・フラムという白人の成人が莫大な財宝を持って島を訪れるという特殊な信仰も存在している。

チベット:TIBETANS(チベット)

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チベット高原(ブータン、中国、ネパール、インドなど)に住み、主にチベット仏教を信仰する人口500万から1000万人の民族。DNA塩基配列の調査によると日本人とチベット民族は非常に近縁であるとのこと。

ワオラニ:HUAORANI(エクアドル)

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南米・アクアドルの東部を流れるアマゾン川地域のジャングルに住む人口2500人の先住民族。1956年まで外の世界と全く接触を指定なかった。自然を熟知し狩りにも長けている非常に勇敢な民族であり、部族の伝説ではジャガーとワシの子孫とされている。

参照:南米・ペルーの奥地で、今まで知られていなかった「幻の部族」を発見 – DNA

ドロクパ:DROKPA(インド)

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インド・ラダックから160kmほど離れた3つの小さな村に住む人口2500人の民族。ラダックの大半を占めるチベット・ブータン系の民族とは、外観、文化、言語、社会などが全く違っている(祖先がコーカソイド系と考えられている)。また、数世紀の間この民族の独特の風習として、公の場でキスや夫婦交換(スワッピング)が欲望のままに行われていた。しかし、軍隊や行政、都市部に住む人々に野蛮な習慣だと指摘され現在は禁止されています。

ダサネチ:DASSANECH(エチオピア)

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エチオピア南部の「人類生誕の地」とも呼ばれる大地溝帯(グレート・リフト・バレー)にあるオモ・バレーを流れるオモ川とトゥルカナ湖北部のデルタ地帯に住む人口2万人の部族。牛の放牧が主な仕事のダサネチ族。もし病気や干ばつ、他部族から襲撃により家畜を失った場合は、砂漠地帯にある世界最大の湖「トゥルカナ湖」へ戻り、魚、クロコダイル、時にはカバさえも狩っています。

バンナ:BANNA(エチオピア)

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こちらもオモ・バレーにあるオモ川東側の高地に住む人口4万5000人の部族。主に農業を営み、儀式の時には石灰石に黄色い石、赤い鉄、炭などを混ぜたものを体中に塗ります。

カロ:KARO(エチオピア)

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オモ・バレーのオモ川東に住む人口1000人から3000人の少数民族。洪水が引いた土地でもろこしや豆を栽培しています。様々な病原菌を媒介する吸血性のハエ「ツェツェバエ」から守るため、小さな家畜のみを飼育しています。

ハマル:HAMAR(エチオピア)

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オモ・バレーのオモ川流域に住む部族。狩猟や採取、放牧や農業などで営み素朴に暮らす。男性の成人儀式では、バンナ族やカロ族同様に、横に並べられた牛の上を全身裸で駆け抜ける「牛飛び儀式」が行われる。

アルボレ:ARBORE(エチオピア)

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オモ・バレーのオモ川流域に住む部族。家畜の放牧を生業としているが、以前は象牙取引を独占していた。女性は頭を黒い布で覆いカラフルなネックレスやイヤリングで飾り、少年たちは強い日差しから頭を守るためシェルタイプの帽子をかぶる習慣がある。

ダニ:DANI(インドネシア)

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ニューギニア島西部(インドネシア領)にあるジャヤウィジャヤ山脈バリエム谷の標高1600mの高地に住む民族。効率的な灌漑システムを持つ農耕民族であり、ダニ族が住む地域は9000年前から農業が行われていた形跡が見つかっている。パプアの部族で最も恐ろしい首狩り族と呼ばれる。注目すべきは、ほとんどのパプアに住む部族は敵を食べる習慣があるがダニ族は食べることはない。

ヤリ:YALI(インドネシア)

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ニューギニア島西部(インドネシア領)にあるジャヤウィジャヤ山脈バリエム谷の原生林に住む民族。ヤリ族は平均身長が150cmであり、いわゆるピグミーとされる。パプア系部族の男性が着用する最も有名なひょうたん製の民族衣装「コテカ(ペニスケース)」を着用している。先述のダニ族が着用しているコテカは比較的小ぶりなのに対し、ヤリ族のコテカは非常に大きく雄々しい形状をしている。また、ニューギニア島西部で最も恐れられている食人族(人を食べる習慣のある部族)とされる。

コロワイ:KOROWAI(インドネシア)

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ニューギニア島西部(インドネシア領)にあるジャヤウィジャヤ山脈南部低地に住む人口3000人(1970年)の民族。無数に広がる沼地や湿地、マングローブ森で主に狩猟や採取で生活しており、1970年代初期まで地球上の人類は自分たちのみと信じていた。パプア系部族では珍しくコテカを使用せず、ペニスは陰嚢に中に押し込み葉っぱと共にきつく縛っている。また、男女においては非常に厳しい分離主義者であり、男女別にツリーハウスで暮らしいている。

ネネツ:NENETS(ロシア)

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ロシア中部のヤマロ・ネネツ自治管区に住む人口4万人(2002年)の民族。トナカイの遊牧、狩猟、農業など営み極北の地に適したサモエド犬を育てている。

マサイ:MAASAI(タンザニア)

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ケニア南部からタンザニア北部に住む人口20万から30万人の民族。元来家畜の遊牧を行う民族ですが、現在は都市部に定住しているマサイ族も多い。また、サバンナで家畜を守る必要があるため視力12を持つものもいるが、都市部に住むマサイ族は1.0程度のため遺伝的なものではないとされる。

最後に、バヌアツで撮影された動画です。
Before They Pass Away by Jimmy Nelson – 1st episode Vanuatu – YouTube

これらの写真はイギリスの写真家 Jimmy Nelson 氏の作品です。

ソース:Powerful Portraits of Secluded Cultures on the Brink of Extinction – My Modern Metropolis

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