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「反Google連合の代理企業」特許侵害でGoogleとAndroidスマートフォンメーカーを提訴


仁義がなさ過ぎてサムスンなどはCMのネタにしてしまったくらい泥沼の特許侵害裁判ですが、ここに来てさらに大きな火種がともったようです。「反Google連合」が共同で出資した企業が、その所有している特許を侵害しているとしてGoogleとAndroidスマートフォンメーカーを提訴しました。


2009年のカナダ・ノーテルネットワークスの破たんはスマートフォン界隈に少なからぬショックを与えました。

理由はノーテルが保有していた特許ポートフォリオ。6000件の特許の中には、モバイル機器の設計・製造に欠かせないものもあり間違った手に渡ると大変なことになる危険があったのです。

特許と知的財産戦略

特許というのは発明者の権利を保護するためのものです。自分の特許を勝手に使っている物については、差し止めやライセンス料の支払いを求める権利があります。

しかし20世紀中頃から企業間競争を有利にすすめるための「知的財産戦略」が発達すると、特許の意味合いは少し変わってきました。

日本でも2002年に「キヤノン特許部隊」が出版され、その一端が詳しく紹介されていますが、特許は相手の足を止めるための「実弾」として機能するようになりました。より多くの特許を所有するほうが有利だということになってきたのです。

6000件の特許は誰の手に渡ったのか

ノーテルの特許ポートフォリオは競売にかけられ、あらゆる企業がこれを争ったようです。中でもGoogleは44億ドルという巨額の入札を行いました。

Androidは市場シェアを奪いつつありました。またOSだけでなく「Nexus」でハードウェア分野にも乗り出そうとしており、そのためには特許によって武装する必要がありました。

しかしノーテルの特許は「反Google連合」Microsoft、Apple、RIM、EricssonそしてSonyが共同で出資する「Rockstar Bidco」が45億ドルで落札したのです。

反Google連合の総攻撃

そして先日、Rockstar社はGoogleとHTC、Huawei、LGエレクトロニクス、Pantech、サムスン、ZTEといったAndroidフォンのメーカーに対し6つの特許に絡む8件の提訴を行いました。

「ユーザーの検索内容に応じてネットワーク上の広告を表示する」という特許や「グラフィカルユーザーインターフェイスのためのナビゲーションツール」「インターネット上のプロトコルフィルター」「メッセージ統合アプリ」などAndroidや携帯電話の根幹にあたる部分を攻撃しているほか、製造メーカーへの提訴については、最新デバイスのほぼすべてを俎上にあげており、まさにGoogleとAndroidへの総攻撃が始まっています。

もちろんGoogleも無策ではありません。2011年に125億ドルでモトローラを購入したのも特許ポートフォリオを取得するための動きだったと見られており、反撃も始まるものとみられています。

「特許ゴロ」から「特許代理戦争」への変遷

相手を訴えることだけを目的に特許を取得し攻撃を行う「特許ゴロ」あるいは「パテント・トロール(Patent Troll)」は以前から存在していました。

普通、特許侵害で訴えられた場合は、相手の特許侵害を探して訴え返したり、互いの特許を交換しあったりという戦略がとられます。

しかしこれは相手が自分たちと同じ業種の場合にしか使えない手です。「パテント・トロール」は特許を管理しているだけで自分たちでは何もしていないため、相手の弱点を責めることができません。

トロール達はこれを利用してギャンブル的な訴訟を起こすわけですが、Rockstar社はこれをさらに進化させたモデルとなりました。

今回の訴訟の原告はあくまでもRockstarで。「反Google連合」は彼らに出資しているにすぎません。「反Google連合」が直接Googleを訴えた場合、当然反撃が予想されますが、今回のケースではGoogleは反撃がしにくいのです。

スマートフォンのように新技術がどんどん投入される分野ではこうした争いは莫大な利益を生むことから、こうした代理戦争はこれからも増えていくことになるでしょう。

ソース:Patent war goes nuclear: Microsoft, Apple-owned “Rockstar” sues Google | Ars Technica

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