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スパイ小説の金字塔、「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」映画版トレーラーが登場


英国諜報部の最上部に潜入したソ連の「モグラ」を捜すため、呼び戻された老スパイ・スマイリー。暮れゆくスパイの黄金時代を背景に、誰が敵とも味方とも分からない中孤軍奮闘する……スパイ小説の大家、ジョン・ル・カレの著作の中でも最高傑作と言われる「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」の映画版が超豪華ゲストで2011年11月18日に公開されます。


ジョン・ル・カレは、アフリカで闇の人体実験を行なう製薬会社と国家機関の癒着を描いた「ナイロビの蜂」や、売れない女優をリクルートしスパイに仕立てていく様子を生々しく描いた「リトル・ドラマー・ガール」などで、諜報の世界のリアルな姿を描き続けている作家。なんといっても1950年代後半から1960年代前半まで、実際にMI6に所属した外交官であるというのがミソで、小説というよりもノンフィクションのタッチで作品を発表し続けています。

この作品はル・カレの著作でも最も人気があるもので、特に明言はされていませんが、イギリスの対外諜報組織・MI6の長官候補まで登りつめたキム・フィルビーが実はソ連・KGBの大物二重スパイだった……という実際の事件に基づいたものです。

タイトルの「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ(鋳掛け屋、仕立て屋、兵隊、スパイ)」イギリスの子どもの数え歌を元にした、劇中のスパイのコードネーム。

原作では緻密な捜査のステップに加え、諜報機関のメンバー同士の足のひっぱりあいや「あいつ、絶対裏切り者だ」という確信があっても言い出せない空気が、目の前にいたもので無ければ再現できない濃密さで描かれています。あまりに濃密なので「ここはぼかして書いてるな」という部分すら見えるほど。なんといっても目の前でスパイ行為が行なわれていたわけですからこれ以上の題材はないでしょう。

動画はこちらから。
Tinker Tailor Soldier Spy – Official US Trailer – YouTube

主人公にゲイリー・オールドマン、脇をトム・ハーディ、コリン・ファースという豪華キャストで固めたこの作品。「非公式なMI6史」としての価値はもちろん、スパイの時代の夕暮れを背景に一線から退いた老スパイである主人公・スマイリーの目を通した諜報の世界のハードなストーリーがいかにして映像化されるのか。1979年、イギリスBBCによるテレビドラマも相当な人気を博したようですが、これを超えられるのかどうか、11月の公開が楽しみです。

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