世界のびっくりニュース

既存のアサルトライフルにAI機能を追加できる電子照準デバイス「ARCAS」


今や兵士が電子機器で武装するのは当たり前の時代……というのはまだもう少し先の話。過渡期には、既存の非電子式デバイスをいかに後付けでパワーアップするかが重要ですが、そんなニーズを満たすべくイスラエルのElbit Systems社がモジュラー式のシステムを開発しました。

Elbit Systems社が開発したARCASはデジタルビデオカメラと動画処理AIを組み合わせた照準システム。すべてのコンポーネントがグリップとスコープ型ディスプレイ部分に収められているので、専用のものでなくてもあらゆる銃に取り付けられるのが特徴です。

グリップに取り付けられたジョイスティックで各種操作が行なえます。

照準を自動的に補正するいわゆる弾道コンピューター機能の他、AIによる画像認識を応用して、被写体の大きさから距離を類推したり、動く人影や発砲炎などを自動検知したりすることができます。もちろんガンカメラとして使い、壁に体を隠したまま壁から銃だけ出して狙い撃つというのも可能。

他にもネットワークに接続してランドナビゲーションや敵味方識別など、各種情報をオーバーレイ表示し、戦闘中でも簡単に確認するという使い方もできます。

ARCASはモジュール式となっており、基本モジュールに加え他の照準機器やアドオンソフトウェアと一緒に用いることもできます。こちらはベーシックな「ARCAS 1」。

既存の照準器でARCASの機能を利用できる「ARCAS 2」。

兵器や作戦行動の複雑化・行動化に対して兵士をアシストするべく、電子的に照準を補正するデバイスや、そして各種情報の統合表示が可能なヘッドマウントディスプレイは各国企業がこぞって開発中。特に電子照準器については小型で高速飛行し直接脅威となる自爆ドローン対策として導入が進んでいます

動画はこちらから。
Elbit Systems / ARCAS – Assault Rifle Combat App System – YouTube

ハードウェアが進歩し、堅牢なものになれば次に狙われるのはソフトウェア。電子照準器に対するハックはすでに行われていて、こうして違う標的を撃たせることに成功しているなど、地味に怖いことになっています。
電子制御の自動狙撃ライフル「Trackingpoint」を脆弱性を突いて隣のターゲットを撃たせるのに成功 – DNA

ソース:ARCAS – Elbit Systems

関連記事

コンピューターで狙撃を支援する「自動照準ライフル」市場にトリジコン社も参入 - DNA

広大な射撃場を駆け抜けつつ自動照準ライフル「TrackingPoint」を撃ちまくっているプロモ動画 - DNA

万能アイテム「iPad」を使って迫撃砲の照準を合わせている自由シリア軍の画像と動画 - DNA

電子制御の自動狙撃ライフル「Trackingpoint」を脆弱性を突いて隣のターゲットを撃たせるのに成功 - DNA

アメリカ国防総省DARPA、ターゲットに向かって進路を自動変更する50口径弾の開発・試写に成功 - DNA

アメリカ軍が開発中の「情報表示用ARゴーグル」がすごくゲームっぽい - DNA

Arduinoでライフル用反射式照準器の表示をカスタムした動画 - DNA

圧倒的存在感 トリジコン社の重機関銃用超大型ドットサイト「MGRS」 - DNA

この記事をブックマーク/共有する


前後の記事

DNAをこれからもよろしくお願いします!

Facebook上のコメント一覧