世界最高齢の女性競技射撃選手、インドのチャンドロ・トマルさんが89歳で死去
世界最高齢の女性ライフル・ピストル射撃の選手として知られ、以前DNAでもご紹介したインドのチャンドロ・トマルさんが、先日、新型コロナウィルス感染により89歳でお亡くなりになりました。
I'm deeply saddened by tragic demise of our most lovable Dadi Chandro Tomar ji. She was inspiration for millions and will continue to inspire forever. May her soul rest in peace. Om Shanti. 🙏 pic.twitter.com/lsa12up9Oc
— Kiren Rijiju (@KirenRijiju) April 30, 2021
チャンドロ・トマルさんはウッタル・プラデーシュ州の生まれ。インド内外の大会で30を超える入賞経験のある世界最高齢の現役競技射撃選手として知られています。本人だけでなく、2010年の世界選手権でメダルを獲得したシーマ・トマルをはじめ、親族から多くの有力選手が出ています。
一撃必殺、世界最高齢の射撃選手はインドのチャンドロおばあちゃん – DNA
そんなトマルさんがピストル射撃競技を始めたのは実に60歳を超えてから。孫娘のシェファリさんが射撃競技を始めるのに付き添ったのが最初でした。男の子ばかりの射撃場で恥ずかしがってうまく撃てないシェファリさんに代わって、ピストルを持ち、射撃を始めたところ命中を連発。それを見ていたコーチが本格的に競技をすることを勧め、それ以来、快進撃を続けています。
射撃での活躍はもちろん、女子射撃選手の発掘・育成を通じてインドの女性の権利の向上を目指すなど、インド社会にも強い影響を与えていました。その活躍と半生は「Saand ki Aankh」として映画化もされました。
ニューヨーク・タイムズのインタビューでは「麦を挽いたり、牛の乳搾りをしたり、雑草を抜いたりなどの家事がよいトレーニングになっている」と答えるなど、素朴な人柄でも知られていました。
インドでは新型コロナウィルス感染が急拡大しており、トマルさんも4月末からメーラトの病院で新型コロナの治療を受けていましたが、残念ながら回復されることなくこの世をさられました。ご冥福をお祈りいたします。
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