マイニングリグから得られる熱と仮想通貨で電気代を賄うことができるか実験するとこうなる
電気代を安くする方法はいろいろありますが、あるコンピューターエンジニアの人が、仮想通貨の採掘に使うマイニングリグからの排熱とそこから得られる仮想通貨で冬の暖房費を賄うことができるかどうか試算し、なかなかおもしろい結果が出ています。
テキサス出身、現在は冬の寒さ厳しいオーストリアに住むエンジニア、クリスティアン・ハスチェクさんの悩みは冬の暖房代がかさむこと。そこで仮想通貨のマイニングリグで暖房代を賄うことができないかどうか試算してみることにしました。
マイニングリグは電力を消費して、仮想通貨と熱を生み出します。仮想通貨で電気代を賄うのに加え、この排熱を暖房に利用すればエアコンの消費電力も減らすことができるのでは……というのがアイディア。
まず排熱の利用のほうはこの通り。これは暖房器具の電力消費グラフですが、エアコンだけで暖房している中央のエリアに比べて、マイニングリグで空気を予熱した右のエリアでは消費量が半分程度になっています。
そしてハスチェクさんのマイニングリグは毎秒120Mハッシュで消費電力900W。試算の結果、仮想通貨イーサリアム(ETH)1単位の相場が900ドル以上であればプラスマイナスゼロ。今の相場ならマイニングリグ分の電気代に加え、普段の電気代の半分を賄えることが分かりました。
つまり冬の寒い時期にマイニングすれば電気代の節約となります。暖かい日や夏は意味がないのでリグを止めればOK。仮想通貨の相場やマイニング難易度の変化、電気代の値上げなど不確定要素はたくさんありますが、収支トントンに持っていくくらいなら普通の人でもなんとかなりそうです。
仮想通貨がコジェネ設備や太陽電池パネルの設置に加え、新しい節電の方法になるかもしれませんね。
電気自動車テスラのバッテリーを足漕ぎ発電機で充電するとこうなる……という実験動画 – DNA
ソース:How I heat my home by mining crypto currencies
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