パラナル天体望遠鏡の直径8メートルの反射鏡に再コーティングする壮大なメンテナンス動画
レストアやメンテナンスの動画は、知っている人も知らない人もなぜかずっと見入ってしまう魅力があります。こちらは南米・チリのパラナル天文台の望遠鏡のメンテ動画。モノが巨大なだけに、メンテ動画もじつにゆったりです。
南米・チリのアンデス山中標高約2600mのセロ・パラナルにあるヨーロッパ南天天文台(ESO)が運営するパラナル天文台の超大型望遠鏡のメンテは現地で行われます。いちいち送り返すのが手間というのもありますが、アタカマ砂漠の乾燥した気候がレンズ整備に適しているというメリットもあります。
反射鏡は直径8メートルのアルミ製。まずこれを望遠鏡から外すところからスタート。
トレーラーに乗せて搬出します。
牛車並のスピード感で3km離れたベースキャンプへ。
無事搬入終了。
反射鏡をユニットから取り外して洗浄ユニットに設置します。22トンもある反射鏡ですが、大きさが大きさだけにあまり厚さがなく、持ち上げるとちょっとたわんでいます。
酸で表面の反射コーティングを剥がし、表面をきれいにします。
反射コーティングが剥がれてあまりキラキラしなくなった反射鏡。
真空のコーティング炉に入れ、再度皮膜をつけていきます。
あとは逆順で再設置。トラックの前を人間が先導するゆっくり感。
取り付けたら完成。洗浄は18ヶ月ごと、1回に8日間をかけてゆっくりと行われます。
毎回、最後に記念写真を撮影するようです。
動画はこちらから。
Coating operation of an 8 meter telescope mirror at Paranal – YouTube
性能がモノをいう世界では、完璧さのためにコストが惜しげなく注ぎ込まれます。カメラレンズもほぼハンドメイドで、ゆっくりと作られていきます。
ニコン製カメラレンズ「ニッコール」の硝材から完成に至るまでの製造工程がよくわかる公式動画 – DNA
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