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「限定版スニーカー」を巡るインターネットでの戦いが激化している


何の趣味でもそうですが、愛好家にとって「限定版」は喉から手が出るほど欲しいアイテムのひとつ。そのため様々な方法を用いて何としてでも手に入れる……という人もいるわけですが、中でも限定版スニーカーを巡る戦いは激化の一方であるそうです。

限定版スニーカーの販売は、従来は店舗で行われるのが主流でしたが、その商品を行き渡らせるロジスティクスで混乱が生じたり、最もマズいケースでは強盗の可能性もあるため、現在はインターネットが主流になりつつあります。

「欲しい」という人はなんとしてでも欲しいもの。リアルな店舗では「並び屋」を雇って整理券を手に入れる人もいましたが、ネット時代ではいわゆる「bot」を使用して、メーカーのネットストアに突撃するケースが増えているそうです。

限定版スニーカーは昔から値段が高騰するアイテムで、このため個人売買の市場規模はかなり大きくなっています。このためコレクターはもちろん、スニーカーは投資のためのアイテムになりつつあります。中にはオークションサイト「StockX」のように売り買いを株式市場に見立て、リアルタイムで相場を表示するようなサイトもあります。

adidas Yeezy Boost 350 V2 Beluga – BB1826

また「個人売買なら海賊版スニーカーを掴まされるリスクも少ない」と考える人もいるため、こうしたサイトはかなりの人気があるようです。ここで売る商品の「仕入れ」のために、botが使われます。

広義の「bot」はユーザーの代わりに単純な動作を何度も繰り返すプログラム。汎用的なものもありますが最近は、スニーカー購入専用のbotが投入されており、これにユーザーの発送先住所や決済情報はもちろん、スニーカーのサイズも記憶させて一瞬で注文を完結させるという世界になっています。

中にはプロクシを次々切り替えて、何足も購入できるようにしたり、オンライン型では「ネットストアのサーバーがあるデータセンターに近いところで運用している」と、注文をミリセカンド単位で早めることができるということを売りにするbotサービスも存在します。

リセールバリューがかなりあることから、多少botに投資しても回収できる確率が高く、bot市場もかなり好調なよう。1000円もせずに買えるようなの汎用的なブラウザ拡張機能から、数万円の専用botアプリまで様々。

スニーカー購入専用botの宣伝動画。あらゆるメーカーのネットストアの名前がリストにあるのが大変恐ろしいです。
AIO Bot – From Zero to Hero – YouTube

こうしたbotの増加は、本当に欲しい人のところにスニーカーが届かなくなるという不都合はもちろんのこと、犯罪組織による中古市場でのマネーロンダリングや悪意のあるbotによる個人情報の流出などの犯罪など、色々な面で影響があります。

日本ではライブコンサートのチケットの買い占めと転売のニュースで自動取引botが問題視されていますが、他にもbotにによる一瞬での大量取引は、既に株式市場ではこのような問題となって現れています。お金を出せば誰でもなんでも買えるのが自由な経済活動ですが、とても健全な動きには見えないのが正直なところです。

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