18世紀の助産師が分娩トレーニングに使っていたぬいぐるみ「La Machine」
医療技術がいくら発達したといえども、出産というのは時に命の危険があるもの。それを助ける産婦人科医や助産師達は、当時、このようなぬいぐるみを使って分娩のトレーニングを行っていたのです。
これは18世紀後半のフランスにて、分娩技術の向上・啓蒙につとめていた女性、アンジェリク・ド・コドレーが考案したもの。「La Machine(機械)」というシンプルな名称で呼ばれていたもので、布・皮・綿といった一般的なぬいぐるみの材料の他に、胴体部分には実際の骨盤が使われていたものもあったそうです。
ディティールはそれほど細かくはないものの鼻や耳といった、手がかりとなる突起部分は再現。また、いざという時の気道確保の練習のため、口は5cmほどの深さになっているとのこと。
コドレーは女性の助産師の地位向上、幼児死亡率の低下などの業績によって当時のルイ15世からの援助も受けていました。他にも多くの教科書・教材を世に残しています。
人体構造に大きな変化が生まれない以上、お産の難しさ・危険さは変わることはなく、昔から多くのアイディアが生まれては消えていきました。中にはこんな変わったものも存在していたようです。
分娩台をぐるぐる回転させて赤ちゃんを取り出す「遠心力出産補助装置」の特許 – DNA
ソース:Madam Coudray’s 18th Century Manikin For Midwife Trainees | Amusing Planet
Joconde – catalogue – dictionnaires
トップ画像:File:Machine de Madame du Coudray-Musée de l’Homme.jpg – Wikipedia
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