科学と技術

いまは亡き宇宙飛行訓練名物・多軸ジンバル操縦訓練装置「MAT」の動画


地球ゴマのようなジンバルの中にくくりつけられて、ランダムに回転する中で操縦訓練を行う「MAT」は、まさしく宇宙飛行士向け、という感じですが、実はNASAではもう使われていないそう。いったいなぜなのでしょうか。


こちらが多軸訓練装置(MAT)。2番めのリングがモーターで回転、3番目のリングがフリーで回転して不規則な揺れを作り出します。一発で乗り物酔いしそうに思いますが、同じ方向に2回転以上しないこと、胃が回転の中心にくるので、不快感はないのだとか。

宇宙飛行士の名物訓練、といえばMATが出てくる人も多いのではないかと思いますが、現在は青少年向けの宇宙体験施設「スペース・キャンプ」でのアトラクションくらいでしか使っていないそう。

アメリカの初期の宇宙計画であるマーキュリー計画の操縦士たちはMASTIF(多軸遠心宇宙訓練装置)なる、似たような装置で訓練を行っていました。

これはジェミニ宇宙船がこういうカプセルで、一度回転を始めたら手動で補正しなければならなかったためでした。

MASTIFでは暫くの間回転させた後、窒素を噴射して回転をコントロールすることが求められました。

その後、スペースシャトルのように先端に操縦席がついた飛行機形状の宇宙機に移行し、MATが必ずしも実機と同じように挙動するわけでもなくなったのでこの訓練は行われなくなったということです。

動画はこちらから。
Why NASA Spun Astronauts Around, But Doesn’t Any More – YouTube

なおもう一つの名物、遠心訓練装置は各地で健在のようです。
Centrifuge 8G – YouTube

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