Twitterが偽アカウントを大規模Banした結果、有名人のフォロアー数はどう変化したのかの調査結果
2018年7月、Twitter社は実態のないフェイクアカウント、botを大量に削除しましたが、その結果、色々な人のフォロアー数が激減するという事態となりました。それでは、フォロアー数が多いことに意味がある有名人のフォロアー数はどうなっていたのか、つまり彼らのフォロアーのうち、どれくらいが偽物だったのか、調査した人がいました。
2018年1月、ニューヨーク・タイムズ誌がTwitterのフォロアーを販売する企業、Devumiとその顧客についてすっぱ抜きました。流出した資料によればDevumi社は実在の人物の名前や写真、プロフィールをコピーしてそれらしいフェイクアカウントを350万個作り出し、それを販売することで利益を得ていたそうです。
その顧客は俳優や歌手などの芸能人だけでなく、EC企業の経営者やマーケッターといったネットで物を売る人達、そして支持者の数が物を言う、いわゆるネットのインフルエンサーや議員、政治団体なども含まれていました。
こうしたアカウントを買っている側を排除するのは難しいものがあります。個人がフォロアーを購入するケースがほとんどだそうですが、会社であれば広報担当者が個人の判断で購入していたり、あるいはターゲットにわざとフォロワーをつけて、アカウントを凍結させるというケースなど、アカウントの持ち主が感知していないケースもあるためです。
そういうわけで、Twitter側の対策としてはフェイクアカウントを削除するしかなく、2018年7月に大規模Banが行われたわけですが……結果はこちら。サンフランシスコ在住のエンジニア、Jeremy Ashkenasさんが調査したものです。
今回の調査対象の中では下げ率トップの@kathyirelandことキャシー・アイアランドさんは元モデルで現在はファッションや家庭用品を中心にライセンス商品を販売する起業家。今回のBanで実に8割近いフォロアーを失いました。
Charting the Great Twitter Bot Purge of 2018 / Observable
喪失フォロアー実数でいくと、今回の調査対象の中ではTwitter社の公式アカウントは790万フォロアーを喪失してトップに。次点は歌手のケイティ・ペリーさんで約300万フォロアー。
フォロアー数やリツイート、いいね!の数など無視すればよいのではないか、というのはもっともな意見。しかし、トランプ大統領の選挙キャンペーンではフェイクニュースの拡散にフェイクアカウントが暗躍していたり、あるいは世界各地の紛争で色々な陣営がプロパガンダの拡散にフェイクアカウントを用いているなど、知らない間に「数の暴力」は影響を与えています。
またフェイクアカウント、フェイクいいね!を売っている企業は、かなり後ろ暗い所からアカウントを仕入れています。非合法組織に資金が流れるのを防ぐ意味でも、フェイクアカウントやそれを利用する人達には歯止めが必要な状況です。
気軽にこういうことができてしまう時代、その意味や結果についてはよく考えたいものですね。
ロシアでインスタグラムの「いいね」を買える自動販売機が登場
関連記事
Facebookに自分の情報を請求したら1200ページのPDFファイルが届いた - DNA
うっかりFacebookで誕生日パーティの日程を公開してしまい1400人が集まり大騒動に - DNA
もし、Twitter、Google、Facebookが1980年代に登場したら?を細部に至るまで再現した動画 - DNA
Twitterでプーチン大統領を批判するとこんな「警告」がやってくる - DNA
Facebookについて感じていることを風刺的に描いたイラスト10枚 - DNA
なぜ「Twitter世論」は現実世界をまったく反映しないのか - DNA