科学と技術

筋力増強スーツにもなるウェアラブル発電機「PowerWalk」をアメリカ陸軍が2017年からテスト開始


近年の兵士は様々な電子機器を使用していますが、これを使うためにはバッテリーが必要。その重量は72時間のミッションで7~9kgほどで、これは時に荷物の2割を超える重さにもなります。それならば兵士が発電デバイスを持てばその分バッテリーが減らせるのでは……さらにその発電デバイスが筋力アシストもしてくれれば……そんな魔法のようなデバイスの試験をアメリカ陸軍が来年から開始します。

カナダのバイオニック・パワー社がアメリカ軍と開発を進めている「PowerWalk」は歩く時の関節の動きを発電に用いることができるウェアラブルデバイス。10~12ワットの発電能力があり、1時間で4台のスマートフォンを充電できるとしています。

使用中の動画はこちらから。やや関節の動く方向が制限されていますが、まずまず普通に歩くことができるようです。
PowerWalk® Kinetic Energy Harvester – YouTube

このデバイスのいいところは発電だけではありません。関節の動きを電気に変換するということはその逆、つまり電力を関節の動きに変換することも可能です。アメリカ軍は、PowerWalkを発電機として使用しつつ、いざというときには足関節の強化デバイスとして使用することも視野にいれて開発をすすめています。

アメリカ軍では以前から腱の動きをサポートするワイヤーを埋め込んだ筋力増強スキンスーツの開発を勧めていますが、発電機能をもたせることができれば平時にはチャージ、戦闘時はパワーアシストという使い分けができ、ますます戦闘能力を高めることができそうです。

関節や筋肉を強化する外骨格型デバイスは、このように既に存在します。軍事技術から民生用に転換する時に、ぐっと普及が進みそうですね。
バッテリーの続く限り空気椅子可能なウェアラブルチェア「Chairless Chair」 – DNA

ソース:Army, soldier power, batteries, energy-harvesting device

Bionic Power – Wearable technology for charging batteries

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