栄枯盛衰を物語る、朽ち果てるまま線路上に放置されているオリエント急行の豪華列車
かつて西ヨーロッパの大都市から大陸を横断しヨーロッパが終わるイスタンブールまでを運行していた国際寝台特急列車「オリエント急行」。しかし現在はほぼ廃線となってしまい、当時利用されていた豪華車両の一部はそのままベルギーの線路上に放置されています。
ヨーロッパを横断する豪華列車「オリエント急行」の歴史は、ベルギー人の実業家ジョルジュ・ナゲルマケールスが長距離列車でアメリカを旅行した経験をもとに1872年に設立したベルギー国際寝台車会社(Compagnie internationale des wagons-lits)が1833年に運行を開始したパリ〜コンスタンティノープル(現トルコ・イスタンブール)にはじまります。
その後、「オリエント急行」を名乗る国際寝台列車が複数登場しましたが、1970年代になると高速鉄道の登場や高コストの影響で徐々に減少・短縮されてしまいます。そして2009年12月12日、ウィーン西駅(オーストリア)発・ストラスブール(フランス)駅行を最後に定期運行が廃止されました。
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なぜかつての豪華車両がこのような状態となっているのでしょうか。ベルギー国鉄によると鉄道博物館に飾るためにこの場所に置いているのですが、博物館にはそのスペースが無く列車はどんどん風化していっているとのこと。非常に悩ましい問題です。
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現在のオリエント急行は、1930年代の車両を利用した豪華観光列車を数社が運行しているのみとなっています。また1988年にフジテレビが開局30年記念として製作したイベント「オリエント・エクスプレス ’88 」でパリ発・東京行のオリエント急行を運行させています。
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またオリエント急行は、上流階級やお金持ちが利用する豪奢な車両や紛争地域を含めヨーロッパ大陸を貫通していくイメージから、アガサ・クリスティー著「オリエント急行の殺人」や007シリーズの「ロシアより愛をこめて」など小説や映画にも数多く登場しています。
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ちなみに中東の砂漠地帯に100年前に存在していた「ヒジャーズ鉄道」の車両もそのままの状態で放置されています。時間が止まった状態の鉄道車両には何か不思議な魅力がありますね。
現在も破壊されたままの状態で残る、100年前に中東の砂漠に建設された「ヒジャーズ鉄道」
ソース:Urbex Orient Express | Flickr
» Rail Graveyard L UrbEx | Forgotten & Abandoned
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