1964年の東京から2016年のリオまでのオリンピックのピクトグラム
言葉や文字が解らなくても見ただけで理解出来るようにデザインされているピクトグラム(絵文字、柄単語)。特にたくさんの国や地域から人が集まるところでは非常に重要になります。オリンピックでは1964年の東京で初採用されて以降、エンブレムと同様に開催国を象徴する独特なデザインのピクトグラムが製作され使われています。
1. 1964年 東京オリンピック
オリンピックで初めてピクトグラムを採用したのが1964年の東京オリンピック。日本語が通じない選手や観光客向けに見ただけで分かるよう体のシルエットをモデルにして開発されています。
グラフィック・デザイナー:Yoshiro Yamashita / Masaru Katzumie
1964年 東京オリンピックの結果とハイライト
Tokyo 1964 Summer Olympics – results & video highlights
2. 1968年 メキシコ・オリンピック
アスリートの体または器具の一部を使ったピクトグラムが採用されています。
グラフィック・デザイナー:Urban Design Department of the Organizing Committee of the Games of the XIX Olympiad, including Lance Wyman
1968年 メキシコ・オリンピックの結果とハイライト
Mexico 1968 Summer Olympics – results & video highlights
3. 1972年 ミュンヘン・オリンピック(西ドイツ)
1964年の東京オリンピックを踏襲した特徴なポーズのシルエットを使用したピクトグラム
グラフィック・デザイナー:Otl Aicher
1972年 ミュンヘン・オリンピックの結果とハイライト
Munich 1972 Summer Olympics – results & video highlights
4. 1976年 モントリオール・オリンピック(カナダ)
1972年のモントリオール・オリンピックとほぼ同じモノを採用。柔道だけは大きく変更されています。
グラフィック・デザイナー:Otl Aicher, adapted by Georges Huel and Pierre-Yves Pelletier
1976年 モントリオール・オリンピックの結果とハイライト
Montreal 1976 Summer Olympics – results & video highlights
5. 1980年 モスクワ・オリンピック
複数の美術学校で卒業課題として製作された「オリンピックのピクトグラム」の中から選ばれたもの。
グラフィック・デザイナー:Nikolai Belkov
1980年 モスクワ・オリンピックの結果とハイライト
Moscow 1980 Summer Olympics – results & video highlights
6. 1984年 ロサンゼルス・オリンピック
明確なコミュニケーション、一貫性、読みやすさと実用性、柔軟性、特徴的なデザイン、ゲームとの互換性。この6つの基準で製作されています。
グラフィック・デザイナー:Keith Bright and Associates
1984年 ロサンゼルス・オリンピックの結果とハイライト
Los Angeles 1984 Summer Olympics – results & video highlights
7. 1988年 ソウル・オリンピック(韓国)
頭、腕、脚、胴の4つのパーツを使ったピクトグラム。胴体のみが白ぬきとなっている。
グラフィック・デザイナー:Seoul Organising Committee
1988年 ソウル・オリンピックの結果とハイライト
Seoul 1988 Summer Games Olympics – results & video highlights
8. 1992年 バルセロナ・オリンピック(スペイン)
胴体を描くこと無く頭、腕、足のみで表現したアーティスティックなピクトグラム
グラフィック・デザイナー:Josep Maria Trias
1992年 バルセロナ・オリンピックの結果とハイライト
Barcelona 1992 Summer Olympics – results & video highlights
9. 1996年 アトランタ・オリンピック(アメリカ)
古代ギリシャのアンフォラ(陶器)に描かれた人々がモチーフ。現実的で人間の姿に近くなっています。
グラフィック・デザイナー:Malcom Grear
1996年 アトランタ・オリンピックの結果とハイライト
Atlanta 1996 Summer Olympics – results & video highlights
10. 2000年 シドニー・オリンピック
アボリジニの文化に敬意を表し伝統的な狩猟道具「ブーメラン」を取り入れたデザインのピクトグラム
グラフィック・デザイナー:Saunders Design
2000年 シドニー・オリンピックの結果とハイライト
Sydney 2000 Summer Olympics – results & video highlights
11. 2004年 アテネ・オリンピック
紀元前3000年前にエーゲ海で栄えた「キクラデス文明」の像をモチーフとしたデザイン。
グラフィック・デザイナー:ATHOC 2004 Image & Identity Department
2004年 アテネ・オリンピックの結果とハイライト
Athens 2004 Summer Olympics – results & video highlights
12. 2008年 北京オリンピック
古代中国より使用されてた古代文字の書体「篆書体(てんしょたい)」を元にしてデザインされています
グラフィック・デザイナー:China Central Academy of Fine Arts / Academy of Arts and Design,
Tsinghua University
2008年 北京オリンピックの結果とハイライト
Beijing 2008 Summer Games Olympics – results & video highlights
13. 2012年 ロンドン・オリンピック
通常使用される「シルエット・バージョン」とロンドン地下鉄をイメージした「ダイナミック・バージョン」の2種類のピクトグラムが採用されています。
グラフィック・デザイナー:SomeOne Design Agency
2012年 ロンドン・オリンピックの結果とハイライト
London 2012 Summer Olympics – results & video highlights
14. 2016年 リオデジャネイロ・オリンピック(ブラジル)
エンブレムと同じくカリオカ(リオデジャネイロ)の景観の曲線にインスパイアされたピクトグラム
グラフィック・デザイナー:Rio 2016 Organising Committee for the Olympic and Paralympic Game
2016年 リオデジャネイロ・オリンピックの結果とハイライト
Rio 2016 Summer Olympics – results & video highlights
さて、2020年の東京オリンピックのピクトグラムは日本的なデザインになるのか、それとも全く新しいデザインになるのか期待が膨らみますね。
ちなみにリオ・オリンピックの女子トレイにはちょっと不思議なピクトグラムが……
リオ・オリンピック、女子トイレのレギュレーションが話題に
ソース:The Sports Pictograms of the Olympic Summer Games from Tokyo 1964 to Rio 2016
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