猿の肉が主食、ヒマラヤの密林を遊動して暮らすネパールの狩猟民族「ラウテ族」
ラウテ族は、一つの場所に定住すること無く野生のサルを探し求め密林の中を移動しながら暮らしているヒマラヤの最後の狩猟民族。独自の言葉を使い外部との接触を極力避る閉鎖的な少数民族「ラウテ族」を追った貴重なドキュメント写真シリーズです。
自らをラウテの言葉で「森の王」を意味する「ban ko raja」と呼ぶラウテ族は、小さく閉鎖的な社会を築いている西ネパールの少数民族。
世界的に珍しく主食としているのはサルの肉。土地を持たず野生のサルを求め2ヶ月に一度移動をくり返し、男たちがサルを狩り女性たちが木の実などの植物を採取する生活を送っています。動物や植物を育てることは行わないため、たまに近くの村まで行きラウテ族の人々による手作り木製工芸品との交換で穀物や野菜を手に入れています。
現在、人の住む地域から遠くはなれたヒマラヤの密林の中で伝統的なノマドライフを続けているラウテ族は約150人程度のみと考えられています。
地球規模の気候変動により適切な時期に適切な量の雨が降らなくなった影響で穀物や野菜などの植物が成長しづらくなったこと、また主食とするサルの棲息数も年々減少しつつあり古来より続けているライフスタイルが大きく変化しつつあります。
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この写真プロジェクトはドイツ在住のネパール人写真家 Ram Paudel 氏の作品です。
またラウテ族については、京都大学・霊長類研究所の川本芳准教授による霊長類研究者の視点から見たラウテ族についてのコラム「研究こぼれ話 ネパールのサル狩猟民 ラウテ(Raute) 探訪」やラウテ族の生活の様子が詳細にまとめられた論文「西ネパールの採集狩猟民ラウテの生活・社会とその変容(PDF)」が詳しいです。
ネパールにはヒマラヤの断崖絶壁のみに棲息するミツバチのハチミツを採取して暮らす山岳民族も存在しています。ロープと煙のみを使う伝統的な手法でハチミツを採取するハニーハンターもまた凄い世界です。
ヒマラヤの断崖絶壁でミツバチの巣を採集するネパールのハニー・ハンターたち
ソース:Photographer Documents the Last Hunter-Gatherer Tribe of the Himalayas – My Modern Met
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