科学と技術

世界最小の車「Peel P50」はどうやって作られているのか


60年代に市街地を利用したレースで有名なイギリス・マン島で生産が始まった世界最小の自動車「Peel P50」。現在もイギリスの工場で職人により手作業で一台一台丁寧に作られています。

Peel P50」は、イギリス・マン島に拠点を置く「ピール・エンジニアリング・カンパニー(Peel Engineering Company)」が1962年から1965年に生産していた自動車。

ピール・エンジニアリング社は、得意とするグラスファイバーを使用したバイクのフェアリングやボートを生産していた会社。50年代にマイクロカーの開発をはじめ1962年に「Peel P50」などを販売し一時は話題となったのですが、売れ行き不振により1969年に生産中止となり会社も1974年に解散しています。

現在の「Peel P50」は、2011年にイギリスの二人の熱狂的なファンによって設立されたPeel Engineering社によって復刻されたものです。

動画はこちらから。
World’s Smallest Car | How It’s Made – YouTube

1. 手作業でグラスファイバーを貼り付ける作業

2. 型から取り出したボディ

3. 1ガロン(約3,8リットル)のガソリンタンクを製造中

4. 給油口の取付け完了

5. ギアとサスペンションが取り付けられた駆動輪(後輪)

6. 三角形のフレームの取り付け作業。車体中央に設置されている銀色のモノは単気筒49ccエンジンです。

「Peel P50」のスペックはぼぼ原付バイクと同等で、最高速度は45km/h、燃費は50km/l。サイズは全幅:1041mm、全長:1371mm、高さ:1200mm、ホイールベース:1270mm、重量:59kg〜110kgで、選べる色は青、白、赤、紫、黄の5色。価格は約140万円(13,805ドル)〜となっています。ガソリンエンジン車の他、電気自動車バージョンも存在しています。

英国BBCの人気番組「Top Gear」ではこんな感じで紹介されています。
The Smallest Car in the World at the BBC – Top Gear – BBC – YouTube

またフォードの公式CMにも「Peel P50」が登場しています。フォードのバンの荷台が広いのか、それとも「Peel P50」が小さのか……荷台の中でぐるっと反転しています。
The World’s Smallest Car Meets Ford’s Biggest Van – YouTube

身近にあるものがどうやって作られているのか? 知っているようで意外と知らない工場でモノが作られていく様子をまとめた映像はこちら。
「身の回りにある日常品はどのように作られていのか?」科学技術振興機構がその謎を解き明かす300本以上の映像シリーズ「THE MAKING」

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