Instagramのスクリーンショットを繰り返しアップして劣化させていくインスタレーション「I Am Sitting In Stagram」
あらゆるデータを処理する時の困りモノが「ノイズ」ですが、一方で画像や音声に加えられたノイズには独特の質感が生まれます。「I Am Sitting In Stagram」はJPEG圧縮の際のノイズの変化をどんどん加えていくインスタレーションとなっています。
作曲家・音のインスタレーション作家であるアルビン・ルシエーは、1969年に「I Am Sitting in a Room」を発表しました。まず数行のナレーションを録音し、これを展示場所である部屋で再生。これをまた録音して再生、を単語が聞き取れなくなるまで繰り返します。部屋ごとにまったく違った結果が現れるようになっており、公開された情報が人の口を経てどんどん変質し、やがてはその社会の都合に合わせたものに変容していくさまを表しているようです。
こちらの「I Am Sitting In Stagram」はこれを元ネタにしたもので、「@sitting_in_stagram」「@sitting_in_stagram2」2つのinstagramアカウントにアップロードした画像のスクリーンショットを保存し、再度アップロードすることでどんどんjpegノイズをのせていくというもの。輪郭が溶け出し、一番特徴的な部分を残してノイズと化していく様は幻想的です。
4枚の画像の変化をタイムラプス化した動画はこちら。
I Am Sitting In Stagram – all four runs – fast on Vimeo
作業の様子も含めてタイムラプス化したものがこちら。
Sitting In Stagram demo on Vimeo
ソース:I Am Sitting In Stagram (2015) | Art Pete
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