「Webサイトから新聞記事にリンクしたら課金」という法案がスペイン下院で可決
Web上に公開された記事を集める「ニュースアグリゲーション」サービスは、忙しい現代人にとっては欠かせないものになりつつありますが、このサービスから記事をリンクされた側の新聞社が支払いを請求できるという法案がスペイン下院議員で可決されました。
2014年7月22日に可決した「canon AEDE」(AEDE: スペイン日刊紙協会)という法案は、あるニュース記事について、Webサイトに「十分な情報量をもつ説明」とともに「その記事へのリンク」をはった場合、記事を所有する新聞社はWebサイトの所有者に対して支払いを請求できるという内容のもの。
別名「tasa Google(Google税)」と呼ばれており、その通り「Googleニュース」をメインターゲットとした法案と思われます。
TwitterやFacebookなどは除外されるということですが、その他Web掲示板やブログ、ソーシャルブックマークサービスなどがどういう扱いになるのか適用範囲がよく分からないこと、どのような内容の情報を掲載するとアウトになるのか不明瞭なこと、そしてそれらを審査するのはいったい誰なのかということなど細かい点ながらも重要な点が曖昧であり、さらに保護されるのはAEDEに所属しているメディアだけで雑誌などは対象外になるらしいということから、海外のWeb系メディアは揃って批判的な論調でこのニュースを伝えています。
膨大な量の過去記事をもつ新聞系Webメディアではサーチエンジンからのトラフィックは相当な量になっており、それ故に広告販売によるビジネスモデルが成り立っています。この法案が上院でも可決すれば、Googleやその他サービスはニュースアグリゲーションサービスの閉鎖や、新聞社へのリンクの一斉削除という手を打って課金を回避することも考えられ、そうなればトラフィックは激減することでしょう。
「Webから存在を忘れられる権利」という言葉がバズワードとして流行していますが、今のこのご時世にメディアがその権利を行使するのは危険なように思います。少なくともWeb版編集部と広告営業部の担当者は大変な目にあうのではないでしょうか。
ソース:Nobody seems quite sure how Spain’s new “Google tax” will work – Quartz
Spain’s newspaper publishers put their faith in ‘Google tax’ law | Media | theguardian.com
Spain Google Tax – Business Insider
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