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アメリカ政府組織がキューバで「扇動SNS」を立ち上げ政権転覆を狙っていたことが判明


世界に民主主義を広めることを自身の義務と考えているアメリカは、あらゆる独裁者や反デモクラシー的政策をとる他国政府に干渉し、あわよくば転覆させる用意があります。そんなアメリカ政府の組織が、キューバでTwitterに似たSNSを立ち上げ、キューバ人のネット社会で反政府的言論を育てていたことが明らかになりました。


これは2014年4月4日、AP通信が調査のうえ報じたもの。カリブ海に浮かぶ国キューバはアメリカのすぐ裏庭といってもいい至近距離にあるにも関わらず社会主義政権をとっており、アメリカとしては長年「目の上のたんこぶ」という存在でした。

調査によれば、アメリカ国務省の傘下組織である国際開発局がキューバのネット社会で「浸透工作」をスタートさせたのは2009年ごろ。ハチドリの鳴き声を表す「ZunZuneo」という、Twitterに似たSNSを立ち上げキューバのネットユーザー、特に若者層に対して影響力を構築しようとしていました。

「ZunZuneo」設立の表向きの理由は「キューバにおいて、政府の検閲が届かない自由なネット社会の発達を促す」というものですが、実際のところはキューバ世論のコントロールや、政府転覆に向けたネットユーザー達の扇動が目的と見られています。

国際開発局はスペインとケイマン諸島にフロント企業を設立して資金を迂回させ、さらにCEOとして雇用した人物にはアメリカ政府との関係を一切伝えていませんでした。「ZunZuneo」の開発とローンチはキューバ政府の注意を引かないようゆっくり行われ、最終的には4万人のユーザーを獲得しましたが、2012年にアメリカ政府資金の引き上げが行われ同年9月には閉鎖されています。

アメリカ政府内では倫理委員会が設置され真相の解明が進んでいます。政府内外の反応としては「そんなものはあるわけないだろう」という完全否定から「世界の民主主義の維持には必要なこと」という擁護の意見まで様々なものが見られているようです。

ある日ふっと現れた、運営元も資金調達先もよく分からないWebサービスがぐんぐんPVやユーザーを増やしていて……というのは日本でもよく見る話ですが、そういうのもひょっとしたらどこかの国の宣伝工作なのかも……と思ってしまう話ですね。

ソース:News from The Associated Press

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