日本の「宇宙のプロ」が「ゼロ・グラビティの観賞ポイント30項目」を特集
2013年アカデミー賞7部門を受賞した映画「ゼロ・グラビティ(原題:Gravity)」の考証については、専門家や宇宙ファンから批判とは言わないまでも多数の「ツッコミ」が入っておりいい作品なのかダメな作品なのか判別しにくいところがありました。日本のプロである宇宙技術開発株式会社(SED)が「映画ゼロ・グラビティについて」と題してこの映画の見所を特集しています。
特集では「宇宙空間での描写を描いた映画の中では間違いなくこの映画は一番良い出来」と前置いた上で、作中の「突っ込みどころ」を30項目提示。国際宇宙ステーションの日本モジュールの運用やロケット打ち上げ支援などを行う同社だけに、かなり細かいポイントが指摘されています。
映画ゼロ・グラビティについて : 宇宙開発と共に 宇宙技術開発株式会社
さすがに現場のプロだけあって「実際はこう」という単純な指摘にとどまらず「なぜ映画ではそうすべきだったのか」「こういう解釈は可能か」という点まで発展させているのが注目のしどころ。
例えば消火器を推進装置代わりにして宇宙に飛び出すシーンについては「25. 消火器で軌道を変えて飛び移れるか?」で、消火器の噴射装置と米ロそれぞれの消火器の違いについて触れ「進行方向と逆側に投げて反作用で飛ぶほうがいいのでは」など、1歩踏み込んだ考察が行われています。
「宇宙機の仕組みや運用などを知ってもらい、自分でもさらに調べてみたいと思うきっかけになれば良いと考え、この頁を作成いたしました」とのこと。宇宙開発の予算は世界各国で削減されつつありますが、こうした「プロの視点」がもっと広まればいろいろな層から注目されるのではないでしょうか。
ちなみに「プロの視点」といえば映画を見るプロ、評論家の目線はやはり重要です。稀代の名評論家、淀川長治さんがもし存命だったらあの名調子でこんな風に解説してくれたのではないでしょうか。
多忙で結局「ゼロ・グラビティ」を観逃してしまった記念((o(*゚▽゚*)o)) 淀川さんが生きておられたらなぁ…って仕事もしないでなにやってるのか(笑)。 pic.twitter.com/kd8bhReKpg
— 松下佳靖@レゲー (@matsushita_8bit) 2014, 3月 13
ソース:映画ゼロ・グラビティについて : 宇宙開発と共に 宇宙技術開発株式会社
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