科学と技術

フォアグリップやバイポッドをスプリングマウントにして反動を制御するアダプタ「The Recoil Rail」


銃を使って複数のターゲットを狙うには、銃口の跳ね上がりをコントロールして射撃した後すぐまた照準できるようにする必要があります。過去さまざまなアイディアが試されてきましたがこちらは非常にシンプルなもの、フォアグリップやバイポッドマウントにスプリングを仕込んで反動を吸収しようという「The Recoil Rail」です。


「The Recoil Rail」は見てのとおり、レールマウントにスプリングを追加したもの。このブロックを介してバイポッドやフォアグリップを装着します。

装着するとバイポッドの上で銃がスムーズに前後移動するようになるため、上下のブレが減り次弾の照準をつけやすくなります。

過去には銃口とグリップの位置関係を大きく変えて跳ね上がりを減らしたMC-3や慣性ウェイトで動き相殺するKRISS Vectorなどさまざまなアイディアで跳ね上がりをコントロールしようとしてきました。The Recoil Railはバイポッドやグリップと本体の間に入るので照準のグラツキを嫌う精密射撃には向かないでしょうが、連射する必要がある状況では多少有利になりそうです。

動画はこちらから。
Introducing the Recoil Rail – YouTube

ただし、反動をコントロールしやすくなるというのはおそらくタテマエで、このデバイスのミソは「銃がスムーズに前後移動する」という部分です。

このデバイスはバイポッドから見ると「銃を前に押し出す」という動きをします。これを利用すると民間用のセミオート火器をフルオートのように撃つ「Bump Fire」というテクニックがものすごく簡単にできるのです。

こちらは銃本体を前後にスライドさせるBump Fire用銃床と、これにRecoil Railを組み合わせた銃のBump Fireフルオートのスムーズさを比較している場面。規制の関係上、リターンスプリングをスライドストックに組み込むことはできないのですが、Recoil Railはその代替になります。動画でも単体よりRecoil Railを併用したほうが滑らかに連続射撃できています。

Bump Fire用銃床としてはメジャーなSlide Fire Solutions社のBump Fire Stock。銃の反動を利用してトリガーを切る動きを連続させやすくなります。アメリカではフルオート火器は規制されているので、こうした「脱法フルオート」用の部品には割と人気があります。
Slide Fire: SSAR-15 – YouTube

つまりRecoil Railというのは反動抑制デバイスの顔をした脱法フルオートツール、といったところでしょうか。よくもまぁこんな抜け穴を見つけるものですね。お値段はひとつ269ドル95セント(約2万6千円)となっています。

ソース:Recoil Rail

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