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軍の情報分析チームと出会い系アプリの共通点


膨大な量の情報からテロリストを追い詰める軍の情報分析チームは、現代の戦争の要。映画「ゼロ・ダーク・サーティ」はそんな彼らの戦いと苦悩を描いた重厚な作品ですが、実は対極にありそうな「出会い系アプリ」と意外な関係があるそうです。


出会い系アプリ「Hinge」の開発者の一人にして「chief matchmaker(マッチング主任)」の肩書をもつJohn Kleintさんは、軍からの嘱託を受けてソーシャルグラフ(ネット上での人間や組織同士の結びつき)や位置情報などを組み合わせた、いわゆる「ビッグデータ」の分析を行っていた人物。テロリストの追跡はもちろん、例えば軍の取引業者のなかで不適切な影響力を及ぼしている人はいないかなど、内部の調査も行っていました。

「現在はどの機関で何をしているか、あるいは何をしていないかは言えないが政府機関ではCIAの食堂がウマい」と語るJohnさんによれば「Hinge」について「人を探す」という点で軍の情報分析と共通のものがあるそうです。

Hinge – The Social Dating App

ヒューマン・トラッキング(追跡作戦)では、ターゲットの周りの金の流れや命令系統、影響力、携帯電話傍受による位置情報取得などによって行動パターンを予想します。軍や政府機関はこのために専門の部隊を編成しており、例えば軍では「ISA」と呼ばれる特殊部隊が世界のどこかで常に作戦を継続中です

「Hinge」は自分のFacebook上の友人の中から相手を見つけるシステムです。ターゲットとなる対象者がとても少ないため、その中からいかに適切な相手を見つけるかマッチングの精度がカギとなります。このあたりの分析手法について、実は軍が行っているものとあまり変化はないのだそうです。

とはいえ、普通のFacebookユーザーはテロリストたちと比べて行動力も過激な思想もない人たち。特に強い特徴があるわけではない人々をどう分析するか、というところで最初は混乱があったようです。

恋愛は誰しもが体験することになりますが、誰か他人と比べることはあまり多くありません。研究者自身が先入観にとらわれるため、解析結果に戸惑うこともあります。

例えば「モテる人」と「モテない人」がいるということは、実はありません。恋愛関係となる「出会い」の数については個人差がものすごくあるように感じるのですが、統計的にはほぼ差がないのだそうです。

大量のデータからはなかなか面白いデータが出てきます。「クルーニー効果(編注:俳優ジョージ・クルーニーにちなんだもの?)」もその一つ。女性は男性よりも相手への評価が厳しくなりがちだそうですが、加齢とともに基準はさがっていくそう。逆に男性は加齢にしたがって評価が厳しくなります。

なお、趣味嗜好のマッチングはそれほど難しくはないそうですが、それらの組み合わせである「魅力」を数値化するのも困難だそうです。魅力が高ければどうこう、という話でもないようです。

日本で「出会い系」というと、サクラと売春が横行するかなりダークなグレイゾーンというイメージ。SNSなどネットを介した恋愛はあまりよくない結果につながるという認識がまだぬぐえていません。

実際に面と向かっていれば分かるはずのことが、ネットを介すると分からない、ということであれば様々な防衛手段が必要となるでしょう。そうしたものの一つとして「出会い」やマッチングはもうちょっとオープンに、そして真面目に研究されるべきもののように思いました。

ソース:Make love, not war: a military contractor helps build a dating app | The Verge

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