複雑怪奇な国境線がすごいオランダとベルギーの超国際都市「バールレ=ナッサウ」と「バールレ=ヘルトフ」
色々な都合から、ある国の領地の1区画だけが他の国の領地になっている「飛び地」は世界のいろいろなところで見られますが、オランダとベルギーの国境から約5kmにあるオランダの街「バールレ=ナッサウ」とその内側のベルギーの飛び地「バールレ=ヘルトフ」は、なんと24の飛び地がモザイクのように並ぶという非常に複雑な地帯となっています。
そもそもなぜこのようなことになってしまたのでしょうか。12世紀末に現在のオランダとベルギーの国境地域を治めていたブラバント公爵は、当時誰も住んでいない土地をオランダの領主に与えていました。
その公爵自身の土地が1648年ベルギーに、オランダの領主の土地がオランダに編入されてしまったためこのように細かい飛び地が生まれることとなったそうです。
その後も飛び地解消に向けて話し合いが行われているようですが、住民の反対もあり現在もこの複雑な国境地帯のまま。ちなみに家の中に国境線がある場合は、玄関のある場所が国籍の基準になっているようです。
1. 地図で見るとこんな感じになっています。
2. 左側がオランダ、右側がベルギー領。
3.
4.
5. 思いっきり国境線上に建物があります
6. もちろん路上にもある国境線
7. 国際交流中
8. お店のエントランスにも国境線
Googleマップで見ても複雑な国境線を確認できます。
大きな地図で見る
こうして国境が入り乱れているのをうまく利用して節税したり法律の抜け穴をついたり……という人が結構いるそうで、なかなかこの事態は解消しないとのこと。面白いだけならよいのですが、悩ましい問題でもあります。
ソース:The Curious Case of Baarle-Nassau and Baarle-Hertog | Amusing Planet
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