容量なんと1メガバイト以下でほぼ完全に物理演算ベースのFPSゲーム「A New Zero」
リアルで凝ったゲームは大容量になってしまうもの。DVD2枚組みはもはや当たり前……というのが最近のFPSですが、こちらのインディーズで開発が進んでいるFPS「A New Zero」は、ほぼすべての動きが物理演算でリアルな上に、容量わずか1メガバイト以下というなかなか面白そうなことをやっているゲームとなっています。
「A New Zero」はマルチプレイヤーのFPSゲーム。基本的には車両・飛行機・ロボットなどに乗り込んで戦うことが主眼ですが、人間同士の戦いもシミュレートできるそうです。
面白いのは、まずすべての動きが事前に作りこまれたアニメーションではなく、きちんと毎回物理的に計算されて発生している点。人間は足で蹴った力で移動し、その際の姿勢や頭のゆれもいちいち計算で求められます。また、建物も着弾の衝撃で揺れたり壊れたりします。
走る人間の挙動がリアル。自分が動いたときの視点の上下運動も、きちんと計算されているので非常に生々しいものになります。
壊れる建物。建築物を実際に破壊できるFPSはあまり多くないのでは。
こけた時の挙動もすごく本物っぽいものになります。
また、動きだけでなく音楽もアルゴリズムで生成されたもの。ディティールも最低限のものとなっているため、全データの容量はなんと1メガバイトを切っています。以前、全部でわずか96キロバイトのFPSゲーム「.kkrieger」というものもありましたが、こちらもなかなかの詰め込み具合となっています。
動画はこちらから。
A New Zero: Physics-based FPS – YouTube
モノや人の動きをプリセットされたアニメーションを使わず、ひとつひとつ物理法則に合わせて計算すればものすごくリアルな動きになるはず……という話は2004年ごろから活発になってきており、以前はCPUやGPU以外に、物理演算を専門に受け持つ「PhysX」のような増設カードも作られていました。
「PhysX」をオン・オフした比較動画がこちら。オンにした場合、細かい破片の動きが一つ一つ計算されるのでものすごく生々しい動きを見せています。
NVIDIA PhysX Technology – Enabled vs. Disabled – YouTube
ゲームの面白さに直結するわけではありませんが、視覚的なインパクトはなかなかのもの。個人制作でもありあまるCPUパワーを使えるようになった昨今、こうした方向でリアルさにこだわるのが面白いと思いました。
ソース:A New Zero
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