「さぼったらビンタ」ゲームで生産性を3倍にするライフハックのポイント5点
生産性の向上、つまり同じ時間でより大量・良質な結果を出すには「『ロッキー』のテーマを聞かせる」など様々な方法があります。それでは古式ゆかしいビンタによって生産性はどれくらい向上するのでしょうか、またその際のポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。
この実験を行ったのはプログラマ/エンジニアのManeesh Sethiさん。PCでの様々な作業時間を計測し、生産性を計測してくれるWebサービス「RescueTime」を使用したところ、1日の就業時間のわずか4割ほどしか実際には働いていないことがわかりました。
人間は群れを作る生き物ですがPCに向き合っている時はひとりきり。仲間も上司もいない状況がダメなのではないか、と考えたManeeshさんはアメリカ最大の「売ります・買います」掲示板サイトであるCraigslistに「時給8ドル(約640円)でぼくの仕事を監視して、サボっていたらビンタする人募集中。隣で他の仕事をするのも可」という広告を出しました。
そしてやってきたKaraさんに「横で監視してぼーっとしているところを見つけたら確認のうえビンタすること」と指示を出し、その日一日で仕上げるべき仕事のリストを渡しました。
実際のビンタの様子。「歯ァくいしばれ!!!!」的なガチビンタではなく、楽しさを失わない「何してるの?もぉー、ちゃんとやらなきゃダメじゃない!」くらいのビンタであることに注意が必要です。
Slapped by Craiglister – YouTube
結果はこの図のとおり、普段の日の生産性が35%~40%だったのが98%まで急上昇しただけでなく、アウトプットの質自体も向上したそうです。
Maneeshさんによれば、このライフハックのキモはビンタの恐怖ではなく「一人でやっている仕事に何か社会的な要素を加える点」とのこと。仕事中に分からないことができたとき、判断に自信がないときにはそれ以上進めることが苦痛になってきますが、誰かが横にいることでそうした苦しみを和らげることができるそうです。
その他のポイントは次のとおり。
1. 自分以外の誰かが、今日やるべきタスクを知っている
2. 「サボリの誘惑」を落ち着かせてくれる
3. 未完成のアイディアについてフィードバックをくれる
4. 仕事にゲームの要素がまざる
5. アウトプットに対してより精密なチェックが可能になる
つまり「体罰」の恐怖で仕事をすすめるのではなく、誰か他の「プレイヤー」の存在によって仕事が「達成されるべきゴール」に変身するという「ゲーミフィケーション(ゲーム化)」が起こっていたということです。
「誰かに監視してもらわないと仕事ができない……」というのは情けなく恥ずかしいことである、という風潮があります。しかしこれを「自分ひとりで乗り越えられない障壁を突破するのに他人の助けを借りる」と書きかえると、まったく普通のこととなります
ずっと依存してしまうのはよくありませんが、他の人と働くことで全体の効率が上がるのはけっして「甘え」ではありません。「さぼったらビンタ」はかなり極端ですが、チームワークで効率を上げる端的な例といえそうです。
ソース:Why I Hired A Girl On Craigslist to Slap Me In The Face ? And How It Quadrupled My Productivity
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