科学と技術

エリア51で働いてたけど何か質問ある?


ネヴァダ州の砂漠地帯のど真ん中にあるアメリカ軍の極秘研究プロジェクトの中心、グレーム・レイク基地こと「エリア51(Area 51)」。いまだに機密となっている部分が多いことから「宇宙人がいる」「UFOを開発している」など陰謀論では大人気のスポットですが、このエリア51で働いていたエンジニア、と称する人がネットで質問を募集していました。


まずは採用プロセスやお給料のお話から。結構たっぷりもらえるんですね。

Q:
軍があなたをエリア51で雇ったのは何故だと思いますか。何か別の大きなプロジェクトに関わっていたのか、それともたまたま偶然だったのでしょうか。

A:
採用プロセスは詳細にお話できないというか、一般的な意味で応募したわけではなく仕事のオファーがあったわけでもありません。知人の紹介でした。

採用の決め手となったのは私がある連結装置の特許を持っていたのと、ジェネラル・エレクトリック社での勤務経験があったからだと思います。

Q:
いくつか質問があります。

・典型的な給料はいくらくらいでしたか?民間人と軍人で大きな差はありましたか?
・秘密のエリアでの、例えば清掃サービスなどはどのようにして行われていたのですか?

A:
軍のほうは分かりませんが、私にはかなり気前よく支払われていました。全国平均の一桁上と言っておきます。直接聞いたことはありませんが、友人や同僚は豊かな暮らしをしていたので同じくらいもらっていたのだと思います。

またすべての清掃員は軍人でした

Q:
AREA51」(1995年のアーケードゲーム)はありましたか?

A:
ゲームセンターがありました。「スペースインベーダー」がありましたよ。

└アメリカはエリア51で宇宙からの侵略者に備えている、と……

エリア51、といえばスーパートップシークレットな基地、なのですが、この秘密はどのように守られているのでしょうか。

Q:
エリア51の存在が有名なのは、実は他の秘密基地を隠すためのダミーだからではないですか?もうエリア51では面白い研究はやっていないんじゃないか、と言うつもりはないのですが、超トップシークレットな開発は別のところでやっていると言われても特に驚かないのですが。

A:
私が働いていた1992年ごろ、私よりずっと昔から働いていた人が「こんなに活気があるのは初めてだ」と言っていました。たまたまその時活気があったのかだけなのかは分かりませんが、あそこで起こっていたことはあらゆる意味において「ダミー活動」とは思えませんでした。彼らは私たちみなに軍事的効率を求め、こき使いました。とても活気がありました。

とはいうものの、私は基地のすべてを見たわけではありません。飛行場に降りたらすぐバスで事務所に連れて行かれました。他の区域ではもっと秘密の活動が行われていたように思います。

Q:
あなたは基地の一部しか見たことがない、といいましたが
・警備体制どのようなものでしたか?
・他の部署の人たちが何をやっているのか知っていましたか?知ることはできましたか?
・局、部署、班などといった階級制度はどうなっていましたか?

A:
1. 兵士は銃を持っていました。またしょっちゅうIDをチェックされました。何年もの間顔見知りの人でもチェックされます。ほとんどのドアがオートロックなので大量の鍵を持ち運ばねばなりませんでした。

2. 無理でしたがうわさは聞こえてくるものですし基地から離れたところでは友人同士で話もしていたようです。それらをつなぎ合わせる人もいましたが、憶測の域を出ないものでした。

3. 民間人には階級は関係ありませんでした。上司といえば毎日日報を集めに来る士官くらいのものでした。私たちは「シンクタンク」として部屋に集められ問題を解決するようになっていたのです。強烈な個性の持ち主が主導権を握ることはあっても、責任者になることはありませんでした。軍は私たちをうまくあやす方法を知っていて、ほとんどの時間私たちを放っておいてくれました。すごいことだと思います。

あと、日常的に監視されていたというのは付け加えておいたほうがいいかもしれません。

 └「日常的に監視」とは?

 └たぶん全区域でのビデオ撮影と位置確認じゃないかな。例えば誰がいつどこで誰と一緒にいたのかということを記録する。

あと銀行の記録はチェックされて、大金が出ても入ってもマークされる。クレジットカードの使用記録もだ。飲酒や(合法な)買春を定期的にやってると特にマークされる。特定の国に旅行すると特別な監視リスト行きになるよ。

「侵入者は射殺する」という看板があることで有名なエリア51。でも中の人には知らされていなかった様子。

Q:
どれくらいの頻度で侵入者がいましたか?

A:
現在に至るまでそのようなことがいつ何回くらいあったのかまったく分かりません。辞めるまでそんなことをやる人がいるのだという実感すらありませんでした。

友人と私は「空軍は射撃が下手だからそんなに難しいことではない」と冗談を言っていましたけどね。ハハハ。

というかネットで喋っても大丈夫なのでしょうか。

Q:
機密保持の書類にサインしたと思うけど、この「質問ある?」スレって何か政府と問題起こす可能性があると思う?

A:
仕事で知り合った仲間や家族と結構オープンに話をしており、彼らは恐らく他の人にしゃべっているでしょう。しかしそのせいでトラブルになったことはありません。もちろん今でも秘密にしていることもありますが、私があそこでやったことは今では陳腐化しており、秘密指定も解除されていたりします。

まぁ私が交通事故で死ぬことがあれば何か問題があったということですよ。

└スーパーコンピューターメーカーのクレイ社の創業者が、セイモア・クレイが1996年末に交通事故で亡くなっているわけだが……

エリア51といえば、民間の何世代も先に進んでいるといわれるオーバーテクノロジー。実際のところどうなのでしょう。

Q:
そこで研究されていたもので、現在は公開されているものはありますか?また、当時そこにはいくつくらいのプロトタイプがあったのですか?

A:
機種名を特定するのは今でも禁止されています。現在は公開されていてもです。ちなみに私は現在広く用いられているある戦闘機の試作機の尾部に大きく関わったことがあります。最終的には民間企業で生産されましたが、私はその前の段階の「品質保証チーム」みたいなところで、元の設計を軍の規格に合わせるため仕事をしていました。軍には山ほどの規格があるのです。

└年代的にはF-22/35?

Q:
で、政府の技術は民間のどれくらい先にいってるの?そんなステキなオモチャを使って何やってるの?

A:
私の経験則ですが、最前線で使われている最新の装備はどれも20年くらい前にスタートしたプロジェクトから生まれたものです。軍が先進的な技術をもっているのは政府が法外な額を支払っているからで、さもないと進歩は官僚主義に埋もれてしまいます。効率よく資金を供給された民間企業なら、10年もあれば軍を置き去りにできるでしょう。私が民間による宇宙開発に興味があるのはこれが理由でもあります。

Q:
当時、民間よりもはるかに先進的なレベル、例えば1985年のiPhone4くらいのテクノロジーを見たことがありますか?

A:
何をもって「はるかに先進的」というかによります。私が関わっていたものはほぼすべてが当時の最先端のものですが専門的過ぎて普通の人の興味はひかないと思います。例えば機体に使われるプラスチックや合金の配合です。私にとって15%の重量低減はかなりのハイテクです。

ずーっと秘密だと、やっぱりストレスがたまるものなのでしょうか。

Q:
なぜ辞めたの?他の部署のこと何でもいいから話せることある?

A:
辞めたのにはいくつかの理由があります。まず軍用機をこれ以上作りたくなかったということ。別に平和主義者とかそういうのではないのですが、私の夢は航空宇宙エンジニアで、それは鉄条網の中ではできないなと思ったのでした。それからぶっちゃけると、私は大金持ちでしたがそれを使う相手がいませんでした。家族が欲しかったのです。3つ目には物珍しさが失せました。まったく他の普通の仕事みたいでそれを10年もやったのです。あと砂漠に飽きました。

他の部署の話といえばハイテクなコンピューターでしょうか。一度、クレイ社のコンピューターで一杯になった部屋を見たことがあります。あれは私が見た中で最も贅沢な眺めでした。

ロズウェル事件で墜落したUFOの残骸から回収された宇宙人のテクノロジーを研究しているのでは、という噂については……。

Q:
エリア51に関するうわさについてはどう思いますか?

A:
宇宙人に関するものは明らかにウソです。歯がゆいのは、非常に頭のいい人達がものすごくいいところまで推測しているのに、なぜか最後にはファンタジーに気をとられてしまうことです。もっともある種の推測は驚くほど正確です。例えば:

情報はそれぞれ隔離されています。自分の隣の人が何をやっているか知らないことはしょっちゅうですし、話しかけたり覗き込んだりするのは邪魔されます。ときどきどの格納庫に何の機体が入ってるか、という話題の記事を見かけますがまるで誰か内部の人間が書いているのかと思うくらい正確です。

Q:
極秘の実験機をつかってUFOに見せかけたことがある人はいますか?あなた自身、エリア51マニアをダマしたことはありますか?

A:
アタマがカラッポな人たちはホタルや星を見て勝手にだまされます

えげつなさ過ぎる人体実験については……。

Q:
よく信じられているけどこれは絶対ウソ、ということを教えてください。そうすれば「元エリア51のエンジニアによると~」みたいなアホみたいなヤツのニュースレターを無視できる。

A:
「プレデター無人偵察機は赤ん坊から取り出した脳でコントロールされている」

映画「インディペンデンス・デイ」では宇宙人の遺体があることになっていました。

Q:
いわゆる正体不明機ではなく空飛ぶ円盤という意味でのUFOを信じていますか?もしいるとすればそれは人間ですか、それとも宇宙人ですか?

A:
宇宙のどこかには宇宙人がいるとは思いますが、うちのカフェテリアにはいませんでした。

ソース:IAmA Former Groom Lake (Area 51) Worker. AMAA. : IAmA

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