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モスクを潜入捜査していたFBIのスパイ「話が過激すぎる」と通報される


アメリカの治安当局では「ムスリムコミュニティがテロリストの隠れミノになっている」という見方が強まっており、宗教施設やコミュニティにスパイを潜り込ませての情報収集が活発になっています。そんなスパイの中にはFBIに通報されるほどの過激な演説を行い、テロリストをおびき寄せるという活動を行っている者もいます。


FBIの潜入情報提供者、クレイグ・モンテールはシリア出身のイスラム教信者、ファルーク・アル・アジズという偽の身分でロサンゼルス南部のイスラムコミュニティに潜り込み、テロに関する情報を探っていました。

本当の彼は3人の子どもをもつアメリカ人。彼は小切手の偽造で収監された後、警察に情報提供者としてリクルートされ麻薬密売人や白人至上主義者のグループに潜入するようになりました。

そして2006年、銀行強盗に関する情報を事前につかんだ手腕が評価され、クレイグはFBIに注目されます。スターバックスでクレイグと待ち合わせたFBIのエージェントは「ムスリムは国家に対する脅威となっている」と説明。「モスクに潜入してくれないか」ともちかけました。

FBIは彼にトレーニングを施し、コードネーム『オラクル』としてムスリムコミュニティに潜入させます。彼の活躍は目覚しいものでした。例えば他の信者は「クレイグは朝早く、入り口の扉が開く前にはモスクに来ていた」と証言していますが、これは扉を開く係が誰なのかをチェックするため。また車の鍵をしょっちゅう置き忘れていたそうですが、これは仕込んだ隠しマイクでグループを盗聴するためでした。

かなりの情報を収集することに成功したクレイグですが、「クレイグが『武器を手に入れられる。ショッピングモールを吹き飛ばそう』と言っている」という噂がたったあたりから雲行きは怪しくなってきます。

これはテロの話をすることで、隠れているテロリストをおびき寄せる作戦の一環でした。しかし「彼は私達をテロに巻き込もうとしている」と恐れたモスクの管理者がFBIに通報します。さらには裁判所にクレイグに対する禁止命令を申し立て受理されました。

「FBIは私を厄介払いしようとしている」と感じたクレイグはFBIに抗議するも、反対に窃盗の罪を着せられ逮捕されます。さらに情報提供者であったことをバラされ刑務所では刺される羽目になりました。

FBIはこの件について詳細を語ってはいませんが、15ヶ月の間に17万7千ドル(約1460万円)の報酬をクレイグに与え、彼がいくつかの有力な情報をもたらしたことを認めました。実際に彼の情報をもとに逮捕・起訴された者も多く、治安当局とムスリム・コミュニティの間の緊張はかなり高まっているとのことです。

ソース:Tension grows between Calif. Muslims, FBI after informant infiltrates mosque

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