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樹脂フレームハンドガンのグロック社がライフルのメカに関する特許を多数取得したことが明らかに


軍・警察向けのハンドガンとしては今やデファクト・スタンダードと言ってよい樹脂フレームのハンドガンを開発したグロック社ですが、どうやらライフル銃のマーケットに関しても興味をもっているよう。ライフル銃の各メカニズムに関して、新たに多くの特許を取得していたことが明らかになりました。

これらの特許は2020年9月にグロック社によって出願されたもので、グロック社のプロジェクトマネージャー、Karl MarkutやJosef Kroyer、Mario Kastrun、シュタイアー社で非常にユニークなライフル「シュタイアー・スカウト」の開発に関わったElmar Bilgerらが発明者として記載されています。

グロック社はいわゆるAR-15フォーマットの自動小銃に関心を持っているようで、動作性や生産性の向上に関するものなどの特許がいくつか見られます。

ファイアリングピンリテイニングピン
EP3800430A1 – Firearm with secured firing pin retaining pin – Google Patents

ボルトヘッド。カム機構でによって前後動の信頼性が高まる工夫がされているとのことです。
EP3800432A1 – Bolt head for a firearm – Google Patents

エキストラクターまわり
WO2021064033A1 – Weapon with cartridge-case ejection – Google Patents

そして、現代的な小銃としては欠かせない左右両利きの操作系に関する特許がありました。
チャージングハンドル。左右両方に展開でき、折りたたんで使用することができる。
WO2021063925A1 – Carbine with charging handle assembly – Google Patents

左右両利きのマガジンキャッチ
US20210102767A1 – Firearm with a magazine holder – Google Patents

これらの特許にはおそらく試案やプロトタイプも含まれていて、例えば主要メカニズムのガスピストン周りは、コンベンショナルなガスルート式のもの2種に加え、バレルと同軸にピストンを持ち、これに根本近くからガスを導出するユニークな特許が提出されています。

ガスオペレーションシステムの試案と思われるもの。バレル前方からガスルートを伸ばすのではなく、根本近くからの排気で銃身と同軸に配置されたピストンを駆動する。
WO2021064097A1 – Firearm with gas drive – Google Patents

より一般的なスタイルの回転式調整子をそなえたガスオペレーションシステム。
EP3800426A1 – Firearm with gas-operated reloading – Google Patents

ガス流量を調整するためのメカニズムをスイッチ式のシンプルなものにしたもの
EP3800425A1 – Carbine with an adjustment device for gas-operated weapons – Google Patents

また銃身交換を用意に行えるアタッチメントシステムの特許もありました。
EP3800434A1 – Gun, in particular a carbine – Google Patents

もっとも、新小銃の開発についてはもう30年以上も前から本当に色々なことが試されていますが、難しいようです。90年代、AR-15フォーマットから大きく更新しようというACR計画もありましたが「ACRこれを大きく超えるものではない」として採用されなかったことを見るに、仮にグロックがライフルを出すとするなら新機軸というよりも大幅なリファインという方向性になるように思います。
[字幕動画]1990年代のアメリカ軍による新小銃開発プロジェクト、ACR(Advanced Combat Rifle)計画を詳細に解説する当時の広報用動画 – DNA

ソース:Es kommt! Das GLOCK Sturmgewehr – SPARTANAT

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