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スエズ運河に大混乱を引き起こしたエヴァー・ギヴン号の乗組員は数年間船から降りられないかもしれない


2021年3月23日、スエズ運河を航行中に岸に衝突し、往来を6日間止める大混乱を引き起こしたパナマ船籍の貨物船エヴァーギヴン号。実は乗組員の多くは未だ船を離れることができていません。そしてこの拘束状態は、実に数年にも渡る可能性があるのです。

2017年7月、スエズ運河を航行するための安全装備や各種証明書に不備があったため、バーレーン船籍のMV Aman号はエジプト・アダビヤ港で勾留されました。ごくごく単純なミスであり、しかるべき手続きを行えば航海を続けることができました。

しかしMV Aman号のオーナー会社は資金難に陥っていたため、必要な支払いをすることができませんでした。このためエジプトの法廷は紛争の解決まで乗組員の一人を「後見人」に選定することとしたのです。

当時船長は船を離れていたため、通知を受け取ったのは船員であったモハメド・アイシャさん。このため彼が後見人になったのですが、その後紛争は解決せず、なんと4年後の2021年3月まで、MV Aman号の船上で暮らすはめになったのです。

後見人ではない他の乗組員は船を去ってしまったため、アイシャさんは巨大な船でひとりぼっちの生活。発電のための燃料もないため、夜は真っ暗な中で生活しました。必要な食料や水の購入や携帯電話の充電を行うために数日ごとに数百メートル泳いで上陸していたそうです。

結局、国際的な交通運輸労組である国際運輸労連(ITF)がエジプト政府等関係者と交渉を重ね、代理の「後見人」をおくことで自体は一応の解決をみ、アイシャさんは実に4年の軟禁状態から解放されることとなりました。

先日スエズ運河で事故を起こしたエヴァーギブン号は賠償金として9億ドル(約984億円)の支払いをスエズ運河庁に求められており、解決がみられなければエヴァーギブン号の乗組員も同じ目にあう可能性が高くなります。ITFによれば類似の事件は頻発しており、制度の見直しが必要であるとコメントしています。

スエズ運河にどれくらいの船が待機しているのかがよくわかる空撮動画 – DNA

ソース:Seafarer Mohammad Aisha is going home thanks to ITF, ending four years on abandoned ship | ITF Seafarers

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