母親の遺体を認知症の研究のために寄付したら米軍の爆発耐久テストに使用されてしまった男性が訴訟
医学の進歩のため、遺体やその内臓を提供する「献体」は、その使用について死者や遺族を尊重するのがごく当たり前のこと……なのですが、アメリカで疾病研究のために献体された遺体が、軍の爆破テストなど無茶苦茶な使われ方をされるという事件が発生してしまいました。
2013年、母のドリスさんを亡くしたジム・スタウファーさんは、医療機関・研究機関を対象に献体を仲介する民間企業Biological Resource Centerに、母の遺体を託しました。彼女はアルツハイマー型認知症を患っており、ジムさんはこの研究のために役立てて欲しいとBRCと契約しました。
しかし2014年、BRCが人道的・倫理的な範囲を逸脱して人体や臓器を売買していたことが表面化。FBIがBRCに強制捜査に入り、経営者は逮捕。その後起訴され執行猶予を言い渡されました。
その後、メディアによる記録資料の調査の結果、ドリスさんの遺体は軍の実験で用いられたことが明らかになったのです。資料によれば遺体は地雷の破壊力をテストすべく、爆薬の上に置かれた椅子ごと爆破されたとのこと。
BRCは遺体を切断し、各研究機関に「バラ売り」していました。2014年の強制捜査では281個の頭部、97個の脊椎を含む2000個近いパーツが142個の死体袋に入れられ、冷蔵庫にぎっしりと詰め込まれていたとのこと。処理室の床は血まみれで、クーラーボックスに入った何個もの男性器や何人分かを1人分につなぎ合わせた遺体なども発見されたそうです。
こうした記録をもとに現在30人が集団訴訟を行っているとのこと。中には、軍に提供しないよう契約したにも関わらず、親族の死後の精神的に不安定な時期に契約を変更するよう強く迫られた人もいるなど、事件後数年が経っているにも関わらずまだまだ明かされていない真相があるようです。
ハロウィンのイタズラで似たようなことをすることがあってしばしばパニックになるのですが、それも「実際そういうことをする人はいないだろう」という、いわば信頼があってこそのこと。まさか本当にそういうレベルのことが起こってしまうとは……驚きの一言です。
[閲覧注意]スーパーの食肉売り場で「切断された手」のフェイクを陳列してパニックに – DNA
FBI found bucket of human heads, body parts sewn together at donation facility: report | TheHill
関連記事
「3Dプリンター臓器は無人自動車システムが完成しないと発達しない」意外な関連性が明らかに - DNA
「iPad2」が欲しいあまりに自分の腎臓を売ってしまった中国の少年 - DNA
マシンガンを撃ちすぎると脳に悪いことが国防総省の研究で判明 - DNA
[閲覧注意]麻薬を体内に隠して密輸しようとした男のX線写真がすごい - DNA
[閲覧注意]極限までリアルに作られた「プロ用人体模型」が肉色ホラーで怖い - DNA
[閲覧注意]「死の山」エベレスト、高度8000mに放置された登山者達の遺体 - DNA