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マシンガンを撃ちすぎると脳に悪いことが国防総省の研究で判明


ハリウッド映画やFPSゲームではよく見るマシンガンやロケットランチャーを撃ちまくりながら敵に突進していくヒーロー達ですが、あれを実際にやると脳に悪影響が出ることがアメリカ国防総省の研究によって明らかになっています。

湾岸戦争以降、多くの兵士が外傷性脳損傷(TBI)に苦しんでいることがわかりました。TBIの要因は様々ですが、爆発の際の衝撃波(気圧変化の波)によるもの、と思われるケースが増えてきました。米軍に敵対する武装勢力がIED(簡易的な仕掛け爆弾)によって米軍の行動を制限する戦い方をとるケースが増加しているためです。

IED爆心地からの距離と圧力変化の関係を表す図。

TBIは脳の機能を低下させ、認知や記憶、運動能力などに悪影響を与えます。また健忘や不安障害といった心的外傷後ストレス障害(PTSD)に似た症状を引き起こします。TBIは外から見ても発症が分からないため、しばしばPTSDと混同され対処が遅れたり、TBIがPTSDを誘発することもあります。近年、TBIの診断基準が変更され、その結果、2000年から2018年2月までの調査で戦闘参加者のうち実に38万人がTBIの影響を受けていることがわかりました。

TBIは頭部への衝撃が原因で引き起こされます。爆風の衝撃波によるTBIが増加していますが、その詳しいメカニズムは分かっていません。脳の空洞部分に衝撃波が入り込み圧力の急激な変化で発生した泡が破裂脳に小さな穴をあけるため、というモデルがコンピューターシミュレーションから明らかになりましたが、他にも臓器どうしの密度の差による膨張・縮小率の違いによって痛みが生じる、いわゆる「圧外傷」説や、圧電体である頭蓋骨に圧力がかかって発生した電流が脳にダメージを与えるという説もあります。

顎の右下から衝撃波が伝わっていく様子を表す図。

仕掛け爆弾だけでなく、兵士たちが使用する機関銃やロケットランチャーなどの小火器を発射する際も衝撃波が発生し、これもまたTBIの原因になります。問題は衝撃波がごく弱いものであっても、これを継続的に受けた場合にはTBIが発生するというところ。カール・グスタフ無反動砲のような大型の兵器だけでなく、.50口径のM2重機関銃のような比較的小型の小火器による衝撃波もまたTBIの原因になることが分かりました。

小火器類は、戦闘だけでなく訓練でも多用されるためこの使用を制限するのは簡単なことではありません。もちろん訓練においては使用量の制限がありますが、この制限は「無反動砲は○発まで」という内容で、浴びる衝撃波の量全体を規制するものではありません。なので無反動砲の訓練を終えたあと重機関銃を撃つ訓練をすると、それぞれが規制値内であっても浴びる衝撃波の量は相当なものになりますし、射手だけでなく横でサポートする装填手やスポッターも衝撃波を浴びるので、量ではTBIの予防にはならないのです。

マニュアル通りの位置に立つ装填手の周辺の圧力変化。

TBIによる症例が増えてきたのは、以前であれば死亡していたような爆発でも高性能なヘルメットや防弾ベストといった装備によって生存者が増えたためでもあります。しかし飛んでくる弾に対する防御は出来るようになっても、ヘルメットとフェイスカバーの対衝撃波効果は十分ではなく、生き残ってもTBIに苦しむことになる可能性があります。

ヘルメットの形状による衝撃波の伝わり方の違い。開口部の隙間から入り込んでいることがわかる。

破片を止めるケブラー、難燃繊維のアラミド、そして耐衝撃パッドを組み合わせたいわゆるEODスーツ。一定の効果はあるものの、重すぎて移動は困難です。
Olympia EOD Bomb Disposal Suit Blast Test – YouTube

こちらは折りたたみ型の防弾シールドなのですが、このような仕組みを用いて爆発の衝撃波を検知すると瞬間的に展開する爆風シールドやこれを持ち運ぶロボットなど、ドラスティックな解決策が必要ではないか、と研究をまとめた独立系機関CNASは提言しています。
折り紙の技術で広げると44マグナムを止められるシールド「防弾オリガミ」の動画 – DNA

ソース:Protecting Warfighters from Blast Injury | Center for a New American Security

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