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さらば脱法フルオート銃床……「バンプファイアストック」禁止へ規則改正案が提出


銃器大国アメリカでも、一定の制限が課せられるのがワントリガーで連射できる「フルオート」の火器。このため、色々な「脱法フルオート」パーツが考案されてきましたが、昨今多発する乱射事件への影響を鑑み、最もメジャーな「バンプファイアストック」が禁止されることになりました。

バンプファイアストックと「脱法フルオート」

アメリカでは1986年に民間向けフルオート火器の新規製造が禁止され、市中のフルオート火器の増加が凍結されています。そこで、ワントリガーで1発しか発射できない「セミオート」火器を擬似的に連射できるようにする技術・部品が色々と研究されるようになりました。

その中でも最もよく用いられているのが、発射時の反動で銃本体が前後するのを利用して、トリガーを連続的に引くという「バンプファイア」と呼ばれるテクニック。

単発銃をフルオートで撃てるテクニック「バンプファイア」が理解できる秒間2000コマのハイスピード撮影動画 – DNA

この「バンプファイア」を、より簡単に行えるのが「バンプファイアストック」となります。銃本体への改造が必要なく、これまでは購入・所持に制限もなく、手軽にフルオートが楽しめるということでそれなりに売れていた人気のアイテムであったようです。

規制と背景

「バンプファイアストック」は2006年、スプリングによって銃の前後動をアシストするタイプのものについては、フルオートへの改造パーツとして規制されましたが、それ以外のものについては規制から外れた状態が続いていました。

ところが、2017年、ラスベガスで発生した58人が死亡する無差別乱射事件において犯人がこのバンプファイアストックを使用していたことが明らかになると、脱法フルオートの危険性がクローズアップされるようになり、これが今回の規制につながることとなりました。

規制発効後は90日以内に、所定の方法でバンプファイアストック、あるいは類似の製品を破壊・破棄することが求められます。

規制案で示された論理では、バンプファイアストックだけでなくあらゆる「脱法フルオート」パーツを規制できるという指摘もあり、銃器所持者の団体の中には差し止めの申立てを行うところもあります。また、輪ゴム1本でバンプファイアが簡単にできることからも、規制の有効性を疑問視する声もあります。

輪ゴム1本でセミオートライフルを「バンプファイア」しやすくする簡単な方法 – DNA

銃を所持するという伝統と、安全がどのように両立するのかという点で、この規制は注目すべきといえそうです。

ソース:Bump-Stock-Type Devices

Bump Fire Stocks and Devices Destruction Diagrams | Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives

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