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アメリカで40以上のTV局がまったく同じセリフでオピニオンを発表して話題に


超強力な権力を持った何者かがありとあらゆるメディアをコントロールし、自分たちに都合のいいメッセージを民衆に知られないように発信する……というのはよくある陰謀論ですが、それに限りなく近いことが起こりました。アメリカで40以上ものTV局がまったく同じセリフでオピニオンを発表したことが話題になっています。

シンクレア社とは

今回、同じ放送原稿を使いまわしていたことが分かったTV局はすべてシンクレア・ブロードキャスト・グループ傘下のもの。

シンクレア・ブロードキャスト・グループは1971年に創業。現在は全米193局、当局による合併の承認待ちのものを入れると233局を傘下に持つというマンモス放送局です。特に保守派が多い南部の放送局を多く所有しているため、取り扱う番組も保守寄りの内容となっており、メディア評論家から批判されることも多い企業です。

シンクレア社栄光の軌跡

シンクレア社は、その巨大なネットワークによる発言力の強さをフルに活かしてしばしば政治的判断に影響を与えてきました。中にはかなり強引なものもあって、例えば先代のオバマ大統領の医療保険制度改革、通称オバマケアによってかえって死亡率が上がっている、という科学的には「ウソ」の内容のものもあります

今回やったこと

さて、こうした保守寄りのニュースを傘下の放送局に流させて政治に口出しをしているシンクレア社ですが、そのシステムはこのようなものです。

シンクレア社はニュースを配信する「Circa」というネットワークを持っています。傘下の放送局はこのCircaからニュースを探し、適したものを放送するわけですが、中には「Must-run(必須)」と呼ばれる配信を義務付けられたものがあります。シンクレア社はこれを使って自分のメッセージを全米に発信しているわけですね。

「Must-run」はキワどい内容のものがあるので、一部のテレビ局では誰も見ていないだろう時間帯に配信しているところもあるそう。今回は「他のメディアは事実をよく調査せずにいい加減な報道を行なっている。これは民主主義の危機だ」という内容のニュースというかオピニオンでした。

それでこのCirca、映像素材だけでなく読み上げ原稿までついてくるという大変便利なものなのですが……今回、多くが提供された原稿をそのまま読み上げてしまったために、あらゆるチャンネルで同じセリフが聞かれる事態となってしまったのです。

何十局ものニュースで同じセリフを読み上げる圧巻の動画はこちら。

事件・事故のニュースでは内容が似ることはよくあります。しかしオピニオン的な内容、しかも地元密着の地方テレビ局が発表している演出で、コントロールされた内容を報道するのはどうなの?など、やっぱりそれはダメなんじゃないか、という違和感も拭えないところ。

自由の国を自負するアメリカも色々と矛盾を抱えているということでしょうか。

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