ボロ雑巾にしか見えない17世紀の古地図を根気と超技術で修復する動画
地図を作るには手間、技術、そして何よりコストと権力が必要です。なので地図は当時の社会状況が強く反映された一級の史料になるのですが、古い地図を読めるように修復するのはまさに至難の業。ゴミにしか見えない古地図が昔の姿を取り戻していく様子はまさに魔法のようです。
この地図は、スコットランドの北東部にあるアバディーンのとある民家の煙突の中に詰め込まれていたものがリフォームの際に発見されたもの。スコットランド国立図書館に持ち込まれ、修復作業が開始されました。
地図がどのような来歴で煙突の詰め物になったのかはよく分かっていませんが、制作年代はウィリアム三世とメアリー二世が中央に描かれていることなどから、彼らの統治時代の中期頃である1690年頃。オランダのシェンク&ヴァルクの8枚組の地図を、ロンドンの地図制作者、ジョージ・ウィルディが複製・増補したものではないかと考えられています。
修復担当者が「今までの仕事はこれのためにあった」と言うほどにボロボロの状態です。
変色、腐敗、破片とゴミだらけという最悪のコンディションの古地図を丁寧にクリーニングしていきます。
時には拡大鏡を使った細かい作業も……ゴミなのかパーツなのか分からないものを修復するわけですから、こうした作業を行える技術と知識がある人は限られてきます。
2016年4月の状態
そしてこちらが2016年9月の状態。まさに見違えるよう。
修復作業の動画はこちらから。
The Chimney Map – YouTube
復旧担当者やキュレーターの人の談話はこちらの動画に収められています。
Unravelling the Chimney Map – YouTube
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