Google Cardboardを使って任天堂の「バーチャルボーイ」を完全再現する非公式プロジェクトが進行中
知る人ぞ知る任天堂の「バーチャルボーイ」は、20年以上も前に完全立体視を実現していたエポックメイキングなゲーム機でしたが、その後そのすごさが今ひとつ理解されず商業的には「失敗」として終わりました。しかしファン達は21世紀のテクノロジーを使い「完全再現」を目指しているようです。
「バーチャルボーイ」が発売されたのは今から21年前、1995年のことでした。「プレイステーション」「セガサターン」といった現代の高性能ゲームハードに連なるライバル達と比べると特異にも程があるルックスですが、双眼式3Dディスプレイを搭載した世界初・真の立体映像ゲーム機だったのです。
実際に遊んでいるところ。男性が目に当てているのがディスプレイとなります。
Virtual Boy @ Artefact | Flickr – Photo Sharing!
とはいえ赤色単色の画面に音声もちょっと貧弱だという弱点をバーチャル感がカバーしきれず、任天堂の歴代ハードの中でも売れなかった方にカウントされてしまいます。
その後、ユーザーの間で非公式のエミュレーター(ゲーム機のソフトウェアを実行するアプリケーション)が開発されます。バーチャルボーイにも何種類かのエミュレーターが存在していますが「Oculus Rift」など安価なヘッドマウントディスプレイの登場とともに「バーチャルボーイ完全再現」を目指す人が出てきました。
そして今回公開されたのがGoogle Cardboardを使用するアイディア。Cardboardはこんな感じの段ボールを折って作る立体視体験装置です。
Google Cardboard | Flickr – Photo Sharing!
この箱にAndroidフォンを入れて画面に映像を表示させると、レンズを通して立体映像にすることができます。
Google Cardboard | Flickr – Photo Sharing!
解像度やフレームレートなどハードウェアの限界はあるのですが、なんといっても軽量、そしてワイヤレスなのでバーチャルリアリティ空間を手軽に楽しむには絶好のオモチャ。
Google Cardboard | Flickr – Photo Sharing!
ゲームを実行するマシンと表示機器をまとめられるので、完成すれば携帯型3Dゲーム機が実現することになります。表示だけでも試してみたい人は、こちらのゲーム画面動画をCardboardを通して見ると雰囲気が伝わると思います。
Virtual Boy Wario Land – Cardboard Test – YouTube
詳しい技術的な解説などはこちらのRedditのスレッドで読むことができます。
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