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なぜアメリカでは「1/3(サード)パウンダーバーガー」は「1/4(クォーター)パウンダーバーガー」に負けたのか


マクドナルドの「クォーターパウンダー」はその名の通り、1/4ポンド(約110グラム)のパティを売りにしたメニュー。これに対抗して「1/3(サード)パウンダーバーガー」を売りだしたとあるレストランチェーンがあったのですが、意外な理由で勝つことができなかったのです。

A&Wレストランは、1919年創業の老舗チェーン。一時はマクドナルドよりも多くの店舗を擁していました。しかし80年代には経営不振に陥り、閉鎖する店舗が続出したようです。

82年、小売業界の大物であるアルフレッド・タウブマンがA&Wを買収すると、彼は他のレストラントチェーンとの合併など様々なテコ入れを行いました。その内の1つが「1/3(サード)パウンダーバーガー」。これを看板メニューとしてマクドナルドの「クォーターパウンダー」と同じ価格で売りだしたのです。

しかし、当初の予想とは違いあまり売れ行きは芳しくありませんでした。そこでタウブマンが調査を命じたところ、意外な理由が明らかになりました。タウブマンの自伝「Threshold Resistance」によれば:

顧客はファストフード店のホッケーパックのようなパテよりも、我々の新鮮な牛肉の味を好んでいるのは間違いなかった。我々の商品のほうが良い物であった。しかし深刻な問題があった。調査対象の半数以上が価格を問題にしていたのである。つまり「なんで1/4ポンドの肉と1/3ポンドの肉が同じ値段なんだ。割高だろう」と。多くの人が1/3ポンドは1/4ポンドよりも少ないと勘違いしていたのだ。

グラムに直すと1/4ポンドは約110グラム、1/3ポンドは約150グラムで明らかに1/3ポンドの方が量が多いのですが、分数表記では勘違いする人が多くこうなってしまった……とのこと。

アメリカ人の学力低下を嘆くコラムでは必ず現れるエピソードですが、何事も一旦落ち着いて考えてみるのが大事です。

トップ画像:hamburger | Flickr – Photo Sharing!

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