アートとデザイン

古今東西いろんな銃の「サイトピクチャー」を集めた写真集「Point of View」


「サイトピクチャー」とは、銃を構えて狙いをつけた時、ターゲットや照準器がどのように見えるのかを表す言葉。FPSではお馴染みの視点ですが、国や時代によって非常に多くのバリエーションがあります。その一部を楽しめるのがこちらの写真集「Point of View」です。

リー・エンフィールド No.1 Mk I小銃(イギリス)
原型は20世紀はじめに設計され、ごくごく最近までイギリス連邦諸国で現役だった名作小銃。左が距離固定の照門、右は調整式の照門。

ブローニング・ハイパワー(ベルギー)
FNハースタル社と、天才銃器設計者であるジョン・ブローニングが産んだ、当時としては画期的なハンドガン。イギリス軍をはじめ世界各国の軍・警察で採用され、現在も数々のコピー品が生産されている。

MP40短機関銃(ドイツ)
第2次世界大戦中のドイツで使用された短機関銃。設計者の名前から「シュマイザー」という愛称をもつ。鋼板プレス加工で作られたフレームや、ベークライトのグリップなど、低コストで大量生産できるため、兵士に高い火力を与えることができるようになった。

モーゼル・Kar98k(ドイツ)
原型は20世紀はじめに帝政ドイツで使用されていたGewehr 98小銃。「kar」は騎兵銃(karabiner)、末尾のkは「短い(kurz)」を表し、ナチス・ドイツ軍で広く使用されたほか、当時の日本軍も「モ式」として使用していた。

三八式歩兵銃(日本)
日本の銃器設計者・南部麒次郎の手になる歩兵銃。第一次世界大戦から使用されてきた、日本軍の象徴ともいえるライフル。当時の日本の工業水準では、部品の共通化・互換化を徹底することはできなかったが、同時代のライフルとくらべても遜色のない性能をもつ。

モシン・ナガンM1891/30(ソ連)
ソ連軍のヴァシリ・ザイツェフ、そしてフィンランドの「白い死神」ことシモ・ヘイヘなど、狙撃手に愛された小銃。特にシモ・ヘイヘはスコープを乗せず、まさにこの照準器ですさまじい戦果をあげている。

ステン短機関銃(イギリス)
第2次世界大戦中、物資も生産力も不足していた中、どこにでもある工具や材料で作ることを目的として設計された短機関銃。

スプリングフィールドM1903小銃(アメリカ)
第一次世界大戦から第二次世界大戦末期、狙撃銃としてはその後ベトナム戦争まで使用された小銃。

ここでご紹介した以外にも、非常に多くのサイトピクチャーが公開されています。狙いやすさ、狙いにくさを自分の目で確かめてみたい人はこちらからどうぞ。
Point of View Gallery – C&Rsenal : C&Rsenal

人間の目はターゲット、銃の前に付いている「照星」と、そして後ろの「照門」に同時にピントを合わせることができないため、性能の向上には限界がありました。しかしその後、ターゲットと同じ距離に光点を投影しているように見える「ドットサイト」が開発され、今では色々なタイプのものが開発されています。素早く狙いを付けられるので、バードウォッチングの人などはこのようにカメラのファインダーがわりに使うこともあるようです。

ドットサイト標準装備でどんな被写体も逃さないコンパクトカメラ「OLYMPUS STYLUS SP-100EE」が日本でも発売 – DNA

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