銃口の先の風景を視界に統合して「狙わず撃てる」暗視装置をアメリカ軍が開発中
世界で最も装備が充実したアメリカ軍の夜戦能力は非常に高く、もはや昼夜の差はほとんどありません。いくつか残った欠点も色々な方法で解決が進んでおり、まさに時と場所を選ばず戦争を遂行することができるようになっています。
暗視装置として「スターライトスコープ」という名前を聞いたことがある人は多いと思います。肉眼ではほとんど見えない弱い光を増幅し、見えるようにするものです。星明かりほどの明るさで昼間のような視界を確保することができるのですが、センサーのノイズで輪郭が分かりにくくなったり、煙や障害物は肉眼と同じように見通すことができないという欠点がありました。
そこで現在配備が進んでいるAN/PSQ-20暗視装置では、物体から放出される熱、つまり赤外線を増幅し、スターライトスコープの視界と重ねることでよりはっきりと輪郭を得ることができるようになりました。従来の緑の視界に、輪郭を強調するフィルタが重ね合わせられると、より見やすくなるのがわかると思います。
Enhanced Night Vision Goggle (ENVG), AN/PSQ-20 – YouTube
さらに現在開発が進んでいるの武器に取り付ける暗視照準システム「FWS」では、ガンカメラの映像がゴーグルの視界と合わさります。ゴーグルをしたままの照準は大変でしたが、このシステムであれば銃がどこを向いているのかが「見える」ので、狙う動作がなくとも何を狙っているのかがわかります。
PEO Soldier FWS I and ENVG III clip – YouTube
コレに慣れてしまうと、電池切れとともに戦闘不能になってしまうのは言うまでもありません。結局最後は人間力なわけですが、それにしてもこの装備の充実っぷりにアメリカの底力を見る思いです。
ソース:Family of Weapon Sights(FWS) – PEO Soldier | Equipment Portfolio
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